巨人が補強第2弾を発表した。広島から無償トレードで帰ってきた長野久義(37)に続き、ソフトバンクから戦力外通告を受けていた松田宣浩(39)と契約を締結した。松田は昨年まで9年連続2ケタ本塁打を放ち、長年に渡って常勝ソフトバンクのサードを守ってきたが、今季は43試合の出場に留まり、ノーアーチに終わっていた。
「長野も松田も今年、打率2割台前半と低迷しました。長野は12月で38歳、松田は来年5月に40歳を迎える超ベテランです。ポジションこそ外野と三塁、一塁で被らないものの、レギュラーは難しく、代打で控えることになるでしょう。巨人には中島宏之という来年7月で40歳の右打者もいる。もし3人も40歳前後の超ベテランを右の代打としてベンチに置くとすれば、ややバランスが悪い気はしますね。
ただ、2人が若手のチャンスを奪うわけでもない。FAで他球団のバリバリのレギュラーが来るなら話は別ですが、巨人の若手は成績の下がってきたベテランに負けているようではどこに行ってもダメでしょう。長野や松田との争いに勝てないようでは、どこの球団に行ってもレギュラーにはなれません」(担当記者。以下同)
原辰徳監督は、2人には数字以外の部分を期待しているだろう。長野も松田も後輩から慕われるベテランであり、その存在がプラスに働きそうだ。
「出番が少なくなったベテランは不満を抱えがちですが、中島も含めた3人にその心配はないでしょう。むしろ、出戻りの長野は若手の相談役になれるし、松田はムードメーカーにもなれる。中島も巨人に来てからの起用法に思うところはあるかもしれませんが、そのような不平は表には出さない。長野も松田もチームに良い影響を生んでくれると思います。松田は今年、やや不調気味だったサードの岡本和真のいい刺激になるのでは」
今年の巨人は昨年までムードメーカーだったウィーラーが主に二軍にいたこともあり、負けが込むとベンチのムードが暗く感じられることもあった。
「数字には現れませんが、明るい選手の存在は良い効果をもたらします。実際、ウィーラーの不在は少なからず、チームに好影響があった。40歳になる松田が移籍先の巨人でどこまでムードメーカーになれるかわかりませんが、その役割は期待できるでしょう。また、松田の姿勢を見習って、『熱男2世』のような元気のいい選手が若手から出てこないといけない。増田陸あたりにはその素質があると思うので、期待したいですね」