毎年、各局が威信をかけて臨む大晦日のテレビ番組のラインナップだが、昨年は大きな変化があった。長らく民放トップを走り続けてきた『笑ってはいけない』シリーズが放送されず、日本テレビは7時間半に及ぶお笑い番組『笑って年越したい!!笑う大晦日』を放送。しかし、視聴率は厳しい結果に終わり、勢力図が大きく書き換えられた。
「大晦日の番組は、格闘技、クイズ、重大事件の振り返り、人気番組の特大版など、色々なトレンドがありましたが、2010年以降は『笑ってはいけない』の天下。安定して10%台後半の数字を取り、11年連続で民放トップを取りました。
しかし昨年は『笑ってはいけない』が放送されず、代わりに生放送のお笑い番組が放送されたものの、視聴率は前年の17.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)から7.2%と、一挙に10%以上ダウン。代わりにテレビ朝日の『ザワつく!大晦日 一茂良純ちさ子の会』が民放トップに立ち、日テレはフジテレビの格闘技にも負けました」(テレビ情報誌記者)
昨年、「笑ってはいけない」を辞めたことについて、松本人志は「コロナ禍での収録が難しい」「クオリティを下げてまで番組を続けたくない」と説明。しかし代替番組は支持を集められず、今年も放送が見送られたことで、ネットには、
「ガキ使やればいいのに」
「笑ってはいけないはもうできないのかなぁ」
「あ〜やっぱり今年も笑ってはいけないやらんのか…ホント大晦日の楽しみなのにな」
と、落胆の声が数多く寄せられている。昨年の低迷がありながら、日テレは今年も生放送のお笑い番組『笑って年越し!世代対決 昭和芸人vs平成・令和芸人』で勝負するが、果たして勝機はあるのか?
「『笑ってはいけない』は、あれだけの長時間番組ながら細部まできっちり作り込まれており、あっと驚くような豪華ゲストが登場するサプライズもあって、放送時間の長さを感じさせませんでした。ずっと見ていても面白いのはもちろん、“ながら見”でも楽しめるのもヒットの大きな要因でした。年に1回、大晦日にしか見られないというスペシャル感も人気の大きな理由だったでしょう。
一方、今年のネタ番組にはスペシャル感はまったくありません。今年の顔となる審査員が登場する形式は紅白と同じですし、『M-1グランプリ』のような真剣勝負になるはずもない。昨年は『笑ってはいけない』の後継番組ということで、ある程度は同番組のファンが流れてきましたが、今年はもうそれも期待できない。そもそも番組自体がネットでほとんど話題になっておらず、昨年以上に厳しい戦いが予想されます。
フジテレビは元日に毎年、生放送で『爆笑ヒットパレード』をやっているので、うがった見方をすれば、大晦日よりも元日のライバル局の番組を潰しにいっている印象さえ受けます」(民放バラエティ番組制作関係者)