話題を集めている『鎌倉殿の13人』(NHK)は算用数字がタイトルに入った初めての大河ドラマでもある。同作のように数字が出てくるドラマは多い。しかも多くの場合は「奇数」。その理由とは? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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12日放送された『鎌倉殿の13人』第43回「資格と死角」では、跡取りのいない三代将軍・源実朝(柿澤勇人)が、都より養子を迎えるという重大な話をするため、主人公の北条義時(小栗旬)、三浦義村(山本耕史)ら十二人の有力御家人を集めるという場面があった。
義時がかつて実朝の父で二代将軍の頼家(金子大地)を補佐するために十三人の宿老が集まったことを思い出すと言ったのを聞いた義時の弟・時房(瀬戸康史)は、「今は十二か。ひとり足りないですね、残念」と発言。するとそこに頼家の遺児で出家の身である公暁(寛一郎)が加わってもよいかと現れ、全部で十三人が話し合いをすることになる。またしても出てきた「13」。
思えば、今年は『鎌倉殿』だけでなく、数字が出てくるドラマが多い。井ノ原快彦の『特捜9シーズン5』、東山紀之の『刑事7人』、間宮祥太朗のヤンキーコメディ『ナンバMG5』、神尾楓珠がAI選定の総理になった『17才の帝国』、飯沼愛と眞島秀和の『パパとムスメの7日間』、岡田惠和脚本のオムニバスドラマ『5つの歌詩(うた)』。木村文乃、広瀬アリスらの『七人の秘書』は、『さぁ、懲らしめてやりましょう』と今年、映画が公開された。
ここで気がつくのは、すべてが奇数であることだ。
それはなぜか。現在のドラマにどれだけの影響があるかは定かではないが、日本の映画・テレビ界には、昭和のころから「奇数は当たる」という“ジンクス”があった。