今年7月、ミャンマーの最大都市・ヤンゴンで国軍によるクーデターへの抗議デモを撮影中に拘束されたドキュメンタリー制作者の久保田徹さん(26)。電子通信関連法や入国管理法違反などの罪で計10年の禁錮刑を言い渡されたが、約3か月半の拘束後に解放され、11月18日朝、羽田空港着の飛行機で帰国した。渡航前から親交の深かったジャーナリスト・相澤冬樹氏が、帰国が決まった彼に寄せられた多くの知人を含む121人からの激励メッセージの存在を明らかにした。相澤氏がレポートする。
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「徹ちゃん、お帰り!」
久保田くんが帰ってきた!
軍政下のミャンマーでデモを撮影中、当局に拘束されたドキュメンタリー映像作家の久保田徹さん。3か月半ぶりに解放され帰国したことは大きなニュースとなった。私にとっては取材を通して知り合ってから2年半、公私にわたりお付き合いしてきた友人だ。ここでは彼を普段呼んでいるように「久保田くん」と書くことにする。
久保田くんは解放された当日、空路ミャンマーを離れ、翌11月18日早朝に羽田空港着の便で帰国した。そこには大勢の報道陣が待ち構えていたが、取材に先立って近しい友人たちが20人ほど到着出口前で彼を出迎えた。その一人、シェアハウスで一緒に暮らしていたアーティストの今野誠二郎くん(25)が、久保田くんにA4の紙の束を手渡した。
誠二郎くんは久保田くんの解放を知って急きょ仲間たちに呼びかけ応援メッセージをネット上で募った。一部では心無い発言も見られたため、彼を励ましたいと願ったからだ。すると友人だけではなく面識のない人たちまで賛同してくれて、わずか半日のうちに121人からメッセージが寄せられた。それを手渡したのだ。心温まるその内容を一部抜粋してご紹介する(名前を出している方はご本人了解済み)。
〈徹ちゃん、お帰り!あなたの帰りを、首を長くして待ってたよ。異国で捕われたこと、そして解放され日本へひとり帰ってくること、その複雑な苦しみと痛みは、私の想像に及びません。あれから私はミャンマーについて学んでいるよ。あなたが最後にLINEをくれた館林(在日ミャンマー人が多い群馬県の都市)も訪ねたよ。あなたの背中を追って、たくさんの人に出会ったよ。今朝も、あなたについて話していたんだ。
直後の解放のニュースに、あなたを直接知らない私の家族や友人たちまで、みんなみんな喜んでいるよ。どうぞ安心して、徹ちゃんのペースで、ゆっくりと日常へ戻ってきてください。次にあなたが館林へ撮影に来るときは、私も必ずそこへ行くよ。だからまたLINEしてね(笑)。もう一度言うよ、徹ちゃん、お帰り! 荒木田慧(路上生活の人たちとの交流を通した友人)〉
「久保田くんの味方はたくさんいる」
住んでいる地域や職業を問わず様々な人からコメントが寄せられた。