秋らしい鮮やかな黄色のカーディガン姿で、首には大きなヘッドフォン。黒のキャップにリュックと、いかにもオシャレなアーティストといったいで立ちで現れたのは、6人組ガールズグループ「BiSH」のメンバーで、シンガーソングライターのアイナ・ジ・エンド。10月25日、神奈川・横浜アリーナでのグループのワンマンライブを終えて、駐車場に現れた瞬間だった。
所属するBiSHは今、最高潮のムードでフィナーレに入っている。昨年12月に、2023年での解散を電撃発表。今年は1月から12か月連続でシングルをリリース中で、秋の9月からは毎月2日に1本の超過密ペースで、全国を飛び回ってライブを敢行している。あるレコード会社関係者は「10、11月と2か月連続で横浜アリーナでコンサートを開くなど、まさに熱狂的なファンたちとともに思い残すことないように、完全燃焼すべく走り続けています」と話す。
“楽器を持たないパンクバンド”として、2015年から活動をスタート。アイドルでもあり、アーティストでもあるという独自のジャンルを切り開き、ソロライブだけでなく、大小問わずあらゆる音楽フェスなどにも参戦し続けてきた。昨年大みそかにはNHK紅白歌合戦にも初出場。まさに絶頂を迎えたかと思われたが「輝いているうちに解散」という戦略で、来年をゴールに定めた。ただし、まだ解散日は明かされておらず、ファンの間では「解散は2023年の1月なのか12月なのか」と、この1年もの間、やきもきし続けている。
そんなBiSHの中で、ソロのシンガーソングライターとしても活躍しているのが、アイナだ。グループ活動のかたわらで、2018年からはソロでもデビュー。ポカリスエットのCMソングを担当したり、椎名林檎(43才)がメンバーを選んだ一夜限りの女性バンド「Elopers」にボーカルで参加するなど、その個性的なハスキーボイスと実力は各方面に認められてきた。
「今年8月には、米国の1960年代の伝説的女性ロックシンガーのジャニス・ジョプリン(享年27)の半生を描くミュージカル『ジャニス』で主演に大抜擢されました。BiSHでは踊りの振り付けも担当するなど、才能豊かなアーティストです」(前出・レコード会社関係者)