精神科医の和田秀樹氏が書いた『80歳の壁』がベストセラーになっているが、健康寿命を延ばすためには何を心がければ良いか──それを知る“生き証人”が80歳を越えた今も現役で活躍する医師たちだ。週4日勤務を行う芦花ホーム常勤医の石飛幸三(87)氏は「運転」が趣味であり、健康法そのものだという。
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87歳になっても変わらず元気ですが、東京・世田谷区の芦花ホームの施設側から「先生、もう歳なんだから休んでください」と言われて、今は週4日勤務です。
3年くらい前までは自分の車で通勤していたけれど、それも「先生、もう87歳ですよ。何かあったら責任を問われます」と諭されて、今ではタクシー通勤に。
でも、平均年齢80歳以上で要介護3以上の入所者は、いつ具合が悪くなるかわからない。だから携帯電話は24時間オンにして、いつでも受けられるようにしています。
何歳まで医師を続けるかなんて、全然考えていません。ただ、自分で食べられなくなれば、身体がもたないとは思うよ。認知症になって判断ができなくなれば、もう役に立たない。そうしたら、「先生、そろそろ辞めていただけませんか」と言われるだろう。
だから、まだ食べられる今は、とにかく夜は美味い酒を飲むんです。すると、カミさんが作ってくれた食事が美味しく感じられる。ということは、身体は大丈夫だ。
毎日、350mlの缶ビールを1本。時には調子に乗って2本。それでいい気分になる。そうすると、早く寝られるんだ。
早寝早起きじゃないけど、下手をすれば9時には寝ちゃう。夜中の2時に目が覚めても、5時間は寝られている。6時間も寝れば十分だよ。
それで、休みの日の朝はスポーツバイクで20~30分かけて公園に行き、集まっている高齢者と一緒にラジオ体操をやるんだ。50を過ぎてからずっとだから、もう30年以上やっているよ。