食事から摂れない栄養素をサプリメントで補う人も多いが、長澤さんは注意を促す。
「特に気をつけるべきは“血液サラサラ系の薬”。心臓病や脳卒中の予防などに使われる抗凝固薬を、納豆や青汁などビタミンKを多く含有する食品やサプリメントと一緒に摂ると働きが阻害されて、血栓が作られやすくなります。
抗凝固薬はしょうがやカモミールとも相性が悪い。ビタミンKとは反対に、それらの成分にも血流を促す効果があるため、薬の効能と相まって出血しやすくなる。特に高齢者は、転倒して小さなけがをしただけでも出血が止まらなくなるので危険です」
年を重ねて気をつけるべきは、骨粗しょう症のリスクも同様だ。そこで気をつけたいのは、骨粗しょう症薬とカルシウムサプリの併用だ。
「骨粗しょう症の治療に用いられるビタミンD3製剤『アルファカルシドール』とカルシウムサプリとの併用は避けてほしい。カルシウムの吸収を高めるアルファカルシドールにサプリでカルシウムを追加で摂取することで、高カルシウム血症のリスクが高まります。だるさや吐き気のほか、重症化すると錯乱、昏睡に至ることさえあるのです」(長澤さん)
うつ状態が改善されるとして、女性の服用者も多いサプリメントの『セントジョーンズワート』ものみ合わせが悪い薬が多い。
「抗ウイルス薬や咳止め薬、経口避妊薬や強心薬などあらゆる薬と相性が悪く、効き目を弱めるため注意書きをしっかり確認してほしい。薬の服用前に、医師や薬剤師に相談してください」(三上さん)
ほかにも、利尿剤とパセリや解熱鎮痛剤と唐辛子、抗リウマチ薬と葉酸など、薬と食品・サプリメントの「共演NG」は枚挙に暇がない。おくすり手帳やサプリメントケースをチェックしてほしい。
※女性セブン2022年12月8日号