どんなに良い薬であっても、のみ方ひとつで効果が薄れる場合もある。薬と食品、薬とサプリメント、薬と薬の組み合わせで、避けるべき組み合わせとは、どういったものなのだろうか。
決められた時間に正しいのみ方をしたとしても、一緒に摂取した栄養素によって薬の効き目が弱まるパターンもある。薬剤師の長澤育弘さんが「相性の悪い組み合わせ」として真っ先に挙げるのは便秘薬と牛乳だ。
「お腹の調子をよくするために牛乳を飲み、その後“合わせ技”で便秘薬も服用する人がいますが、それは逆効果です。多くの便秘薬は胃酸でコーティングが溶けて、腸で効くように作られていますが、牛乳は胃酸を中和する効能があり、便秘薬のコーティングが溶けずに腸まで運ばれて、薬がそのまま便として出てしまうのです」
風邪をひいたときに、カフェイン入りの栄養ドリンクと総合感冒薬をのむのも大きな間違いだ。
「ほとんどの総合感冒薬や鼻炎薬はカフェインを含有し、栄養剤と合わせるとカフェイン過剰になってしまう。頭痛で眠れなくなることもあり、かえって風邪の治りが悪くなります」(長澤さん)
カフェインは胃腸薬とも相性が悪い。
「H2ブロッカーの胃腸薬はカフェインの持つ中枢神経刺激作用を増強し、頭痛や嘔吐を引き起こす可能性があります」(長澤さん)
薬剤師の三上彰貴子さんは鼻炎薬とグレープフルーツの組み合わせに注意を促している。
「鼻炎薬で抗ヒスタミン薬の『フェキソフェナジン塩酸塩』は、グレープフルーツと一緒に口にすると小腸での吸収が抑制されて効き目が弱くなります。
また、新型コロナやそのワクチンによる発熱を抑えるとして注目された解熱鎮痛剤『アセトアミノフェン』は炭水化物や糖質と一緒に摂ると効きが遅くなります。のんでいるのに薬が効きにくかったり、アレルギー症状が改善しないと思った時は、のみ合わせが原因かもしれません」(三上さん)