春夏合わせて15回の甲子園出場を誇り、今夏の甲子園でベスト8になった九州学院(熊本)。史上最年少三冠王を獲得したヤクルト村上宗隆の母校として知られ、現在は弟・慶太が4番でチームを牽引。甲子園を沸かせた。
この名門校で野球部員による未成年飲酒が複数回起きていたことが分かった。同校関係者が語る。
「1回目は6月12日夜、野球部員が近くの公園で飲酒し、寮で酔いつぶれた状態で発見されました。寮の階段には吐瀉物があったといいます。寮監が問いただすと、飲み掛けのウイスキーボトルを提出し、飲酒が発覚しました。翌日に職員会議が行なわれましたが、この野球部員は処分が確定する前に保護者の希望で転校することになりました」
学校はそのことを公表することはなくその後も野球部は活動を続け、夏の甲子園に出場、ベスト8に輝く。
ところがその後、甲子園から間もない9月5日の深夜に2回目の飲酒騒動が起きた。寮の一室から騒ぎ声が響いていたという。
「寮監が部屋の扉を開けると、寮生5人が酒を部屋に持ち込んで酒盛りをしていた。3人は剣道部で、1人は夏の甲子園に出場した野球部員でした」(前出・学校関係者)
本誌・週刊ポストはこの酒盛りの写真を入手した。短パン、Tシャツ姿で丸刈りの5人がカメラ目線でポーズを決めている。左から2番目で缶酎ハイを片手にしているのが甲子園に出場した野球部員だ。机にはつまみでも食べたのか、割り箸が散乱している。
5人が思い出として撮影したであろう未成年飲酒の証拠写真は生徒たちの間で拡散されてしまう。
「参加した1人が間違えて、全く関係ない生徒に送ってしまったことで、多くの生徒が知ることになった。寮監はこのことを『口外しないように』と生徒たちに伝えたそうです。村上(慶太)君は今回の騒動とは無関係ですが、この件についてはもちろん知っていて、心を痛めているそうです」(同前)
学校はここでも野球部員による飲酒を公表することなく野球部は国体に出場。現在は新チームが始動している。
高校野球の部員による不祥事には、厳しい判断が下されてきた。最近では今年8月、春夏11回甲子園に出場している酒田南高で複数の野球部員が寮で喫煙していたことが分かり、秋の山形県大会を辞退した。11月15日には今夏甲子園に出場した埼玉・聖望学園で複数の野球部員が寮で飲酒と喫煙をしていたことが発覚。日本学生野球協会から1か月の対外試合禁止が下されている。一部の部員が起こしたとはいえチーム全体で責任を取るのが通例だ。
九州学院に話を聞くと、2件の野球部員による飲酒は熊本県高野連に報告し、いずれも「事案判明日から1か月以内に開催される公式戦の出場禁止が出されました」とのこと。学校は9月に飲酒した5人に謹慎処分を科したという。