年末のNHKの看板番組「紅白歌合戦」の今年の出演者が発表され、“シニア視聴者切り捨て”と波紋を広げている。
韓国のK-POPアイドルが5組出場し、そのうち2組は日本ではほぼ新人。ジャニーズも6組、全出場歌手42組中、初出場組が10組を占めた。若者世代には知名度があっても、シニア世代には聞いたこともないユニット名が並ぶ。
若者偏重は番組作りだけではない。NHKはシニアの視聴者が支払う受信料で作った番組を、受信料を支払っていない若い世代に視聴させているのだ。
11月16日、NHKが米国の動画配信サイト「ネットフリックス」に対し、NHK番組の配信停止を求めていることが報じられた。
ネットフリックスは毎月定額料金(990円~)で各国の映画やドラマ、アニメ、ドキュメンタリーなど好きなコンテンツを好きな時にスマホやパソコン、テレビで視聴できるサービスで、NHKも番組を提供していた。
だが、同サイトはこの11月からCM付きの低料金プラン(月額790円)を開始し、NHK提供番組にもCMが流れ始めたことから、NHKは配信停止を求めたのだ。“NHKがCMを流している”という批判が上がるのを恐れたことは容易に想像できる。
それでも、NHKから民間の動画配信サイトへの番組提供そのものが、不公平につながっている。都内在住の70代男性Aさんが釈然としない様子で語ってくれた。
「長男のところに初孫が生まれたので、頻繁に顔を見に行くようになりました。孫がぐずり出すと、息子はタブレットでネットフリックスを立ち上げて、Eテレの『いないいないばあっ!』を見せ、“これで静かになるんだよね。ちょっと前のシリーズらしいけど、便利で助かる”と言っている。
しかし、息子は学生時代からNHKの受信料を払っていなかったし、結婚して引っ越す時にテレビは捨てたので、今も払っていません。NHKの番組を見ても追加料金はかからないという。私たちが払った受信料で作られた番組なのに、こんな仕組みはおかしくないか」