サッカーW杯カタール大会では、インターネットテレビ局『ABEMA』での本田圭佑氏の解説が大きな話題を呼んでいる。これまでサッカー日本代表戦の名物解説者と言えば、“絶叫解説”でお馴染みの松木安太郎氏を思い浮かべる人も多かっただろうが、11月27日、日本のグループリーグ2試合目のコスタリカ戦では、本田氏がABEMAで、松木氏がテレビ朝日系列でそれぞれ解説を担当し、夢の“直接対決”が実現している。
松木安太郎研究家でライターの岡野誠氏は、「日本が初のベスト8をかけるクロアチア戦の前に、あの対決を振り返っておかなければならない」と力を込める。はたして岡野氏が、本田氏と松木氏の場面別の絶叫回数を解析した末に見えてきたものは──。
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今大会、本田圭佑氏の解説に痺れている。彼は相手のシステム変更などピッチの現状を瞬時に察知して、改善点や打開策を提案する。指摘があまりに的確で、サッカーの面白さや魅力を余すことなく伝えている。そんな論理的な説明をする一方で、本田氏は「ファールやろ!」「PK!」と感情を剥き出しにする場面もある。
このバランスが視聴者を惹き付けているのだろう。ならば、絶叫型の解説者として名高い松木安太郎氏と比較した場合、本田氏はどのくらい叫んでいるのか。
コスタリカ戦で、お互いが感情的になったシーンを振り返ってみよう。
「ファール!」と叫んだ回数を検証
まずは、2人が「ファール!」と叫んだ回数からだ。
(以下、分数は中継の画面表示。小声の場合は除く。ファールアピールが成功は○、失敗は×、既に判定済み、日本のファールへの異議は―)
■松木氏:4回
後半50分 「ファール!ファール!ファール!」
→ ― 右サイドで伊東純也が倒される。審判が笛を吹いた後に3回連呼
後半50分 「おう!ファール!」
→ × 右サイドで伊東純也が倒れるも、審判は笛吹かず。
■本田氏:7回
後半15分 「きた!きた!ファール!ファール!ファールやろ!」
→ ○ 遠藤航がペナルティエリア前で倒される。
後半34分 「ファールやろ!」
→ × 三笘薫が右サイドで倒れるも笛はならず。直後にも「いやいやいや。ファールや」と言っているが、小声なのでノーカウント。
後半48分 「何?ファールちゃうやろ」
→ ― エリア内で相手と競った三笘がファールを取られ、異議を申し立てた。
後半50分 「ファール、ファール!おしよしよし!」
→ ― 右サイドで伊東純也が倒される。審判が笛を吹いた後に2回連呼
意外にも松木氏のほうが少ない。ファールアピールと成功回数を挙げると松木氏は1回中0回、本田氏は2回中1回になる。後半36分に先制ゴールを許した後、互いに「ファール!」と叫ぶ回数が一気に増加した。2人の合計11回のうち、6回は後半アディショナルタイムに記録されている。