地位あり、美しさありと、順風満帆に過ごしていたはずの女子アナ・有加里壱子(ゆうかり・いちこ/深川麻衣)。が、たった一度の不倫疑惑事件ですべてを失って地に落ちる。そんな壱子が自己再生をすべく、美容品会社社長・不美(ふみ/MEGUMI)とともに、美を味方にして立ち上がっていくドラマ『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』、略称『カリスマ壱子』が人気だ(テレビ東京ほか)。
この作品、「観て美しくなるドラマ」をコンセプトにMEGUMIが全面プロデュースを手掛けて、自身も出演している。プロデューサーとして裏方に回る演者は数多いが、彼女のようにプロデュース全般、宣伝、場面写真チェック、撮影現場立ち合い、台本制作、会議参加、加えてケータリングの手配まで関わる人は今までにいただろうか?
ドラマに懸ける思いを聞くインタビューの【第2回】では、「相当なマニア」を自認する、美容の話を中心に伝えていこう。【全3回の第2回。第1回から読む】
ドラマ映像を「カラフルで可愛く」するために
──全体の映像がカラフルで、可愛らしい。無粋な言葉で言ってしまうと“おしゃれ”だなあと思ったのですが、何か狙いはありましたか?
MEGUMI:まず狙いはカメラ選びにありました。「アレクサミニ」というカメラを使って、すごくいい絵にしたい。そこからカメラマンさんと、理想の色を出してくれる照明さんにオファーをして、まずはいったん成功だなと。
『カリスマ壱子』は割と話がヘビーなんです。トーンが暗かったら見てもらえないから、まずはコメディにしようと思っていました。あとは女の子が見るものだから、ファッションも、プロップも、カラフルで可愛くて、何か憧れを感じてもらえるものにしたかったんです。
──主役の壱子は女子アナ。この職業が住んでいる部屋はシンプルというイメージがあります。
MEGUMI:そうなんです。色々なところでシンプル設定が使われていますけど、女子アナだってデコラティブな部屋に住んでいる人もいる。お花を必ず飾るとか、カーテンの色はこう、とか。
──スタッフの皆さんに伝わりにくいですよね。
MEGUMI:そう思ってすべての提案にリファレンス(参照資料)を用意しました。絵作りだけではなくて、音楽もすべて。具体的に示さないとスタッフの皆さんには伝わらないと思ったんですよ。