「日本女性の自己肯定感が世界最下位……?」たったひとつのヒントから、ついに連続ドラマのプロデューサーとなったMEGUMI。彼女が今回手掛けた作品は『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』、略称『カリスマ壱子』(テレビ東京ほか)だ。
不倫スキャンダルによってすべてを失い、心身ともに摩耗してしまった女子アナ・有加里壱子(ゆうかり・いちこ/深川麻衣)。そのサポートをするのが、MEGUMI自身が演じる美容品会社社長・不美(ふみ)。ひとりの若い女性が再生していく様子をコメディ作品として綴っている。
実は彼女、2022年は全クール、ドラマに出演という快挙を成し遂げている。もちろんドラマだけではなく、映画やバラエティ番組にも出演し、会社も経営してと彼女の肩書は枚挙にいとまがない。それどころか話を聞いていると「まだまだやりたいことはある」と目標を増やしているではないか。そのバイタリティーの泉は一体どこから湧き上がってくるのか。本人に話を聞いた。【全3回の第3回。第1回から読む】
「MEGUMI事業計画書」に書かれていた『カリスマ壱子』
──今回、主役に明るいパブリックイメージのある深川麻衣さんをキャスティングされました。壱子役は割と重い役ではあると思うのですが、なぜ彼女だったのでしょうか?
MEGUMI:テレビ東京のプロデューサー・太田勇さんからも「すごく演技がうまい!」と勧められたこと。それから可愛いし、振り切ったこともできる人であること。角度によって全く表情が違うという技術も持っている。そういう理由から決めさせてもらいました。麻衣ちゃん、コメディ演技の経験がほぼないんです。だから新しいことに挑戦をしてもらうという意味でも良かったですね。
──なるほど。あとドラマタイトルにある“カリスマ”という言葉が気になりました。
MEGUMI:ダサいでしょ(笑)
──確かに(笑)。“カリスマ美容師”とか“カリスマ店員”という、昔あったな〜という言葉しか思いつかないんです。
MEGUMI:ドラマを作る時に心掛けなくてはならないのが“キャッチー”と“ポップ”なのです。その時代を反映するもの。若い女性が「は?」と振り向いてもらうためにも、敢えて取り入れた言葉なんですよ。
「カリスマってなんなん?」と聞かれても、私たちにも答えはないんです。ぼやん、としたディテールだけど、40代には「ああ、あれね」と浮かんでくるような言葉を使いたかった。だからタイトルも長めのタイトルが流行りで、面白いと思われるなら、と取り入れることにしました。