旧統一教会・元2世信者が様々な苦労を語り合う(左から武田ショウコさん・仮名、小川さゆりさん・仮名、もるすこちゃんさん)
10月、合同結婚式の末に生まれた小川さゆりさん(仮名)の会見中、教団から彼女の両親の署名を入れた「会見中止」を要求するFAXが届いたことは、大きな話題になった。同じ被害を生みたくないと訴える、小川さんはじめ、武田ショウコさん(仮名)、もるすこちゃんさんの3人の宗教2世の座談会が実現した。【全4回の第2回。第1回から読む】
米を炊くと怒られた
小川:教会への献金のためにお金がなくて、服はおさがりばかりだったから、学校ではいじめられていました。親からお小遣いをもらったことは一度もなかったですね。
武田:両親は忙しく働いてずっと家にいないのに、本当にお金がなかった。唯一のご馳走が学校給食でした。でも、いつも「給食費未納」の茶封筒が私の机の上に置かれていて、すごく恥ずかしかったし、後ろめたさを感じました。
家では梅干しがあれば梅干し、海苔の佃煮があればそれだけを舐めていました。米もないので……。米を炊くと怒られるんですよ。「あの機械」(炊飯器)を使うなって。
もるすこちゃん:電気、止まりましたよね。
武田:止まりました。電気もガスも。家賃が払えず差し押さえになるたび引っ越しをしました。もう住める場所がなくて父親が営んでいた飲食店の店舗に住んでいたこともあります。そこにはお風呂がなくて、大きなタライを買ってきて、お湯をためて入っていた。
もるすこちゃん:うちも貧乏でしたが、それでも親は親なりに優しく育ててくれたので、複雑です。うちの親はすごく純粋で、マルチ商法にもすぐハマってしまう。