「2022年ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞が、史上最年少三冠王を獲ったヤクルトスワローズ村上宗隆三塁手(22才)の愛称「村神様」に決定。2016年に広島カープが27年ぶりのセ・リーグ優勝で「神ってる」を流行らせたとき以来、6年ぶりにプロ野球の新語が年間大賞に輝いた。
そんな今年の世間で注目を浴びたプロ野球界も、現在はシーズンオフで選手の去就・移籍問題などがメインとなるストーブリーグに突入中。連日、各選手の契約更改のニュースも報じられている。その中で、異例の形で発表した選手が出てきた。
11月25日に契約更改をした楽天のオコエ瑠偉外野手(25才)。記者会見は行わず、楽天が来季の選手契約を締結したことを発表。年俸に関しては、オコエ本人の意向により非公表とされた。
あるスポーツ紙記者は「各紙の楽天番記者たちは推定で150万円減となる850万円と算出しました。ただ、この不可解な形は、今年から始まる『現役ドラフト』にかけられることが内定しているんじゃないかとの憶測にもなっているところです」と話した。
現役ドラフト、正式名称「ブレークスルードラフト」とは、日本プロ野球選手会が4年前から提案し、今年12月9日に初めて行われる新移籍制度。各球団で“飼い殺し状態”になっている選手たちに、別の球団での活躍を促す制度だ。
前出のスポーツ紙記者は「例えば、三冠王村上選手がいるヤクルトでは、ほかの三塁選手にはレギュラーになるチャンスはほぼ皆無です。でも、選手層の薄い他球団ならば出場機会が得られる。そんな選手たちの才能を生かすために米国MLBを参考に新設されました」と解説した。
各球団は、シーズン終了後の全保留選手名簿の中から2人以上のドラフト候補者を提出済み。各球団は、その全リストの中から1人以上を獲得する。ただし、現役ドラフトに指名された選手以外の候補者の情報は、最後まで秘密保持される義務が伴う。
「オコエ選手は楽天の秋季キャンプに不参加でした。若手が中心のキャンプですが、オコエ選手が参加していてもおかしくはない。来季のチーム構想から外れていて、移籍も考えられる状況ですが、それでも来季の契約をしたというのは、現役ドラフトにかけられる可能性が高いのではないでしょうか」(前出・スポーツ紙記者)
たしかに、楽天は、外野手は島内宏明、辰己涼介、西川遥輝らがレギュラーと見られていた。今季まではオコエと同じ右打者は手薄だったが、中日から阿部寿樹をトレードで獲得と、ますます出番が無くなる布陣が整った。
「どうもこのオフ、練習場のオコエのロッカーから荷物がなくなったという声が聞こえてきました。もちろんシーズンオフだからという見方もあるけれど、このままドラフトで移籍に現実味が帯びてきています。彼は身体能力に恵まれで、野球センスもかなりある。それは自他ともに認めるところで、本人は“環境が変わればやれる”という意識を持っているようです。
甲子園を沸かしたヒーローですし、知名度もあるので、もしも他球団に指名されれば、現役ドラフトの目玉になるのは間違いない」(前出・スポーツ紙記者)