巴戦を制して阿炎が初優勝した大相撲九州場所。向正面の控え行司のすぐ右隣に座る「着物美人」が15日間皆勤したことがネットで話題となった。ネット上での注目はどんどん高まり、着物美人の周囲に座る人たちにも注目は波及した。
そうしたなかで話題になっていたのが、12日目に着物美人の隣に“溜席の妖精”が座っていたという話だった。本誌・週刊ポストでも夢の“共演”が実現し話題となったことを報じていた。「溜席の妖精」とは一昨年の11月場所の溜席で背筋をピンと伸ばした白いドレス姿がネット上で話題になった女性のことで、今場所もNHKの大相撲中継では真っ白のドレスに白マスクの女性が着物美人の隣に座っている様子が映されていた。
ところが、この白いドレスの女性について、「溜席の妖精ではないんですよ」という情報が寄せられた。改めて取材していくと、福岡・中洲でよく知られたニューハーフショーパブ「ギャグマンペントハウス」のスタッフのひとりである「つばささん」なのだという。改めて、つばささん本人に九州場所の12日目に溜席に座っていたかを確認してみたところ、「向正面の最前列に座らせていただきました」との答えだった。以下、ご本人とのやり取りだ。
――本誌の記事では申し訳ないことに「溜席の妖精」と間違えてしまいました。
「NHKの相撲中継を見た知人からも“桟敷美人と呼ばれる人がいるけど、似ていますね”って言われました」
――(白のドレスなどの服装は「溜席の妖精」を)意識されていたとか?
「いいえ。私は普段からあんな感じの雰囲気なので……」
――背筋をピンと伸ばしているところもそっくりでした。
「一番前だったのできちんと観戦しようと思って背筋を伸ばしていました」
――服装も似ていました。
「そうらしいですね。そういうつもりでなかったんですよ」
――ショーでモノマネされると聞きましたが、ギャグのようなことなのかと。
「とんでもないです。普段通りです」
――このインタビューをもとに、訂正記事を書こうかと思っています。
「恐れ入ります」
たしかに、当日の溜席に座っていた人からは「溜席の妖精が周りから声を掛けられた時の返答がしゃがれ声だったと思う」という話も聞いていたが、まさかニューハーフショーパブの方とは思いも寄らないことだった。
千秋楽も着物美人の斜め後方に白いドレス姿の観客が映っていたが、つばささんは「千秋楽は行っていない」とのこと。協会関係者はこう言う。
「よく映像を見ると、千秋楽の白いドレスの人も溜席の妖精とは拍手のやり方が違っているから別の方ですね。溜席の妖精が低い位置で小さく拍手するのに対し、千秋楽の白いドレスにマスク姿の女性は顔の前で大きなアクションで拍手をしていた。一方のつばささんは低い位置で拍手をしていたので、かなり似ているようには見えた。溜席には白いドレスにマスク姿の方が何人もいる。それは裏方の間でも話題になっているようです」
土俵下の様子も、注意深く見なくてはならないということだ。