「継続は力なり」という言葉があるが、「言うは易し行うは難し」で、それを実践するのはなかなか難しい。しかし、続けたことでYouTubeのショート動画で大バズりして注目を集めているのが、「即興なぞかけ」芸人のねづっちだ。YouTubeのチャンネル登録者数は8月1日時点では3.46万人だったが、いまでは18万人まで増えている。本人が語る。
「YouTubeは制作会社の方から『やりませんか?』と誘われて、言われるがまま始めたのがきっかけです。『たくさん稼ぐ人もいますよ』と言われて、へぇー、そうなんだと思いながら始めたのですが、毎日30~50回ぐらいしか再生されなくて。『儲かるわけないじゃん』と思ったのですが、1か月ぐらい続けると30分ぐらいの漫談の土台が出来ていて。それで、ネタ帳感覚で続けるようになったんです」
2014年から始めたYouTubeチャンネル「ねづっちチャンネル」の基本は、毎日アップする「なぞかけ」動画と、月に1回行う漫談ライブの切り抜き動画。そして、最大60秒のショート動画だ。前者2つの再生回数はそこまで伸びていないが、ショート動画が驚異的な再生回数を記録。今年8月のショート動画の月間再生回数は5000万回を突破した。きっかけは動画の制作スタッフが今年6月に開設したTikTokの公式アカウントで、本人も知らない間に開設されたものだという。
「単独ライブや寄席でも、若い子がたくさん観に来てくれるようになりました。自分が何か努力して数字を伸ばしたわけではないので不思議な感じですが、いろんな人に観に来ていただけるのはうれしいですね」
「即興なぞかけ」の決めゼリフである「ととのいました!」は、2010年の新語・流行語大賞でトップテン入り。その年のテレビやイベントに引っ張りだこだったが、活動の基本は舞台だということを忘れず、翌2011年からは単独ライブ「ねづっちのイロイロしてみる60分」を継続して行っている。
「ゲストコーナーを除く40~50分間は自分の漫談の時間なので、事前にみっちりと練習します。演芸ホールや地方の営業でかけている5?10分のネタをつなぎ合わせて、40?50分のネタに仕上げることもあります。観客のキャパシティはだいたい60人ぐらいで、『なぞかけ』のネタを振ったりしますが、なかには難しいお題を出す常連さんもいます。でも、そういう無茶ぶりで鍛えられているところもありますね」