“男の尊厳”に関わると考える人もいる「勃起不全(ED)」。患ってしまうと、いざという時への不安から、女性と話すことさえ億劫になる人もいるだろう。そうした男性の救いになってきたのが、バイアグラに代表されるED治療薬だ。最近、超強力な「未承認薬」が出回っているという。
今年5月、会社員と自営業の2人の男が医薬品医療機器法違反の疑いで書類送検された。容疑は、「未承認のED治療薬」を無許可で販売したこと。会社員の男は「コロナで観光ガイドの仕事が不振となり、海外で知名度が高く人気がある薬のネット販売を始めた」と容疑を認めているという。
警視庁によると、その薬は「キャンディ5150」「ハマーキャンディ」の名で販売されており、マレーシアから輸入された。2人の男はフリマアプリなどで販売したとみられる。
その名の通り、形や包装ともに飴菓子に似せた薬で、2人は製造業者に対し、日本人向けにコーヒー味をつけるよう発注していたという。
この薬については、日本でも数年前から出回っていたとの証言もある。元薬剤師で海外の風俗事情に詳しいYouTuberのJOJO氏が言う。
「取り締まりは見せしめのようなもので、警察が動くほどウラでの流通量が増えてきた。数年前から個人輸入によって少しずつ出回り、パパ活の流行やキャンディタイプで気軽に使えることもあって一部界隈で流行った。私のところにも、ブログに広告を載せてほしいと、キャンディ5150の広告案件がきたほどです」
問題はこの薬の効果だ。警察が押収した「キャンディ5150」1粒には、ED治療薬シアリスに含まれる「タダラフィル」成分が、1日の摂取基準とされる量の8倍(80mg)も含まれていたという。
言うまでもないが、シアリスに限らず、バイアグラ(シルデナフィル。最大量1錠50mg)やレビトラ(バルデナフィル。同20mg)に適正量が決められているのは、医薬品としての安全性を担保するためだ。それを超える量を1粒で摂取する“飴”の効き目とは、どれほどか。
「ハマーキャンディ」を服用したことがあるという男性(43)が、その強烈な効果について話した。
「2016年に香港に行った際、現地のアテンダーの男に『マレーシア産の天然由来の飴で面白いものがある』とコーヒー味の飴をもらった。それがハマーキャンディだった。空港でなめて、『高麗人参ぽい味だな』と思ったけど、その時はそれだけ。
でも夜になって街を歩いていたら、突然手足が熱くなり、理由もなく下半身が元気になって困った。その時は忙しくて何もしていないけど、翌朝まで元気なままで『これはすごい!』と。もちろん日本で承認されていない危ない薬だというのは分かるが、何粒か持ち帰って使ったら40代前半になって2回も続けてイクことができて、もうほかの薬には戻れなくて……。それ以来、恐る恐る海外からの通販サイトで探してしまっています」