今冬、話題作への出演が続く有村架純(29歳)。目黒蓮との共演映画、そして来年にはNHK大河ドラマ『どうする家康』の出演を控える。徳川家康(松本潤)の正室・瀬名(築山殿)を演じる有村の注目ポイントについて、コラムニストで時代劇研究家のペリー荻野さんが解説する。
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今年、もっとも多くの人の胸をざわつかせた二枚目といえば、目黒蓮(Snow Man)だろう。朝ドラ『舞いあがれ!』で、ヒロインの舞(福原遥)に「俺、お前のこと…」と言い出し、おいおい告白か!?とざわついたまま土日をはさみ、月曜日開けてみれば続きが「ごめん、何でもない」で、世間をカックンとさせたばかり。
また、川口春奈と共演するドラマ『silent』では、難病のために音のない世界で生きていた青年が、8年前に別れた恋人と再会し、少しずつ心を開く姿を演じ、話題になっている。
その目黒が公開中の映画『月の満ち欠け』で、熱烈に愛する相手となったのが、有村架純だ。ふたりの物語の始まりは、1980年。大学生の三角哲彦(目黒)は、正木瑠璃(有村)と運命的な出会いをし、恋に落ちる。しかし、それは許されない恋だった。ずっと彼女のことを思う哲彦は、27年という長い時を経て、最愛の妻と瑠璃という名の娘を事故で亡くした男(大泉洋)を訪ねる。
この映画を観て、しみじみ感じたのは、有村架純がすっかり大人の女性になっていたことだ。有村といえば、同じく80年代を舞台にした朝ドラ『あまちゃん』(2013年)で、小泉今日子演じるヒロインの母・天野春子の若き日を演じて注目を集めた。アイドル志望の18歳の彼女は、前髪とサイドがふわりとカールした「聖子ちゃんカット」で登場。懐かしさと可愛らしさで視聴者を沸かした。その彼女が、約10年の時を経て、黒い革のジャケットにストレートヘア、ビールを片手に哲彦とほほ笑みながらも、どこか翳を感じさせる。80年代の大人女性・瑠璃となっている。これはなかなかに感慨深い。
さらに有村は、来年の大河ドラマ『どうする家康』で、主人公・徳川家康(松本潤)の正室・瀬名(築山殿)として出演が決まっている。