2018年にパリ・ルーブル美術館で開催された初個展、そして2019年に開催された国内初個展から約3年。香取慎吾の国内2度目となる個展『WHO AMI-SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-』が開催中。
「より香取慎吾の深い部分を見てもらえる」と本人が語るように、200点が一堂に展示され、香取のアーティストとしての活動が凝縮された空間となっている。
その会場を訪れた自身もアーティストである小野裕人さんに、アーティストの視点から感じた思いを寄稿してもらった。
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まだコロナ以前だった2019年、IHIステージアラウンド東京で行われた『BOUM! BOUM! BOUM! 香取慎吾NIPPON初個展』を鑑賞した時、絵画の個展がこんな自由で大胆でいいんだ!と目を覚めさせられた。香取さんファンはもちろん、絵画の展覧会に初めて足を運んだ人も、老若男女誰もが楽しめる、さすが頂点を極めたエンターテイナーが繰り出す一流のショーともいえる空間・時間だった。
それから3年たった今回の個展。ものすごく楽しみにしていて、早速、初日に行ってきた。ひと言で表現すれば、「心が笑顔になれる」そんな会場で感じたことをお伝えしたいと思う。
開催に際しての会見で香取さんは、絵が大好きでたまらない少年のような率直な思いを語っていた。
「ほんとに嬉しくて。絵を描くことが好きで、子供の時からずっと絵を描いてきて。僕が絵を描いているのは、人に見てもらいたくて、いいね、素敵だね、って言ってもらいたくて描いている部分があるので。また個展をやりたいなって思いで3年間ほかの仕事を頑張ってきました」
その気持ちすごくわかる!と激しく同感してしまった。香取さんに私ごときが同感するなんておこがましいのだけど、また同時に、香取さんのような方が駆け出しのアーティストと同じような感覚を持てているなんて。どうしたらその純粋で新鮮な気持ちを持ち続けられるのだろう、とまずそこから感銘を受けてしまう。
会場に入ると、二通りの動線が赤と青それぞれの矢印で示されていて、スムースに鑑賞できる。そしてなんといっても200点という圧倒的作品数。そのうち100点は初出展で、これ以上は会場に飾りきれなくて、展示していない作品もまだまだあるという。描きたいもの、表現したいものが溢れ出てくるような、どの作品からも活き活きした躍動感が伝わってくる。
何年にもわたって描いてきたというが、エンターテイナーとして歌もダンスも、演技も、バラエティーや司会も・・・と多岐にわたる活動の中で、どうやって制作のための時間やエネルギーを捻出できるのだろう。どんなに忙しくてもアートと向きあう自分の時間が生きていくバランスをとるうえで必要、そんな迫力を感じる。やりたいことはたくさんあるけど時間がない、なんて言い訳をしてしまう自分が恥ずかしくなる。