旧統一教会問題によって20年超に及ぶ自公連立が危機に立たされている。公明党の支持母体である創価学会にも問題が波及しているからだ。
創価学会の弱体化はその集票力の低下に現われている。7月の参院選で公明党は得票数約618万票と昨年の総選挙の約711万票から100万票近くも減らした。目標とした「800万票」には遠く及ばなかった。
創価学会の集票力低下は、自民党と公明党の連立を揺るがせている。政界で突如浮上した国民民主党の連立参加構想は、それを物語っている。
臨時国会で補正予算が成立した12月2日、時事通信が〈自民、国民両党の幹部が水面下で接触を続けており、調整が付けば連立協議に入る〉と報じ、国民民主の玉木雄一郎・代表の入閣が検討されていることを報じた。
岸田文雄・首相と玉木氏は揃って否定し、公明党の山口那津男・代表は「検討のしようも、判断のしようもない」と反発したが、国民民主党は補正予算案に賛成、さらに政府の被害者救済法案にもいち早く賛成方針を打ち出すなど、政権寄りの姿勢を強めているのは事実だ。
政治ジャーナリスト・藤本順一氏は、連立はあり得ると見る。
「自公連立は自民党が創価学会の票をもらい、かわりに公明党は政策に影響力を行使できるというギブアンドテイクの関係だった。だが、創価学会の集票力が下がり、自民党にすれば連立のメリットが薄れ、足を引っぱる存在になってきた。
そのうえ、岸田首相は公明党との関係があまり良くない。そこに浮上したのが国民民主の連立参加構想。自民党にすれば、2党連立のままでは公明党の主張に配慮しなければならないが、自公に国民民主を加えて3党連立になれば、公明党を牽制できるわけです」