美容の分野では、しわ改善効果のある「レチノール」や肌荒れ改善効果の「シカ」、植物由来のアンチエイジング成分「バクチオール」などが話題になった2022年。では、2023年に話題になるのは何なのか──。
2023年にブーム間違いなしといわれるのが「CBD(カンナビジオール)」だ。CBDは抗酸化・抗糖化・抗炎症作用に優れており、しわ、シミのほか、たるみやにきび、赤み、くすみなど、ありとあらゆる肌トラブルに効果を発揮する“最強の美容成分”だ。
日本化粧品協会代表理事の引地功一さんが言う。
「CBDの抗酸化作用は、ビタミンCやビタミンE以上といわれています。これにより、日焼けやにきび、シミ、くすみの改善、皮脂コントロールに優れているほか、しわを改善し肌にハリとツヤを与える効果も期待できる。
何より驚くべきなのは、その即効性。少し肌に赤みがある程度ならひと晩で改善します。3~5日使えば、周囲の人が気づくほど、顔全体のくすみが取れたという声を多く聞きます」
日焼けなどの炎症はもちろん、美容形成外科クリニックでのモニターテストでは、ダーマペンなどの美容施術で赤みや出血のある肌に使ってもトラブルはなく、むしろダウンタイムが短縮した例も見られた。つまり、現時点では「副作用はゼロ」ということだ。
すでに欧米では、シャンプーや歯磨き粉、入浴剤のほか、CBDが使われた生理用品も売られている。
「高い抗炎症作用により、歯周病や肩こりの改善、生理痛の緩和なども期待できるほか、発毛・育毛作用があると示す論文もある。
入浴剤で使えば、CBDを経皮吸収できるだけでなく、湯気を吸い込むことで高いリラックス効果や睡眠の質を上げる作用も期待できます」(引地さん・以下同)
この夢のような成分が、2023年にようやく、日本でも大ブームを巻き起こすはずだ。
というのも、CBDは大麻草から抽出されるため、いまの日本ではまだ流通が難しく、並行輸入のCBD製品などには、麻薬成分を含んでいるものが混じっている恐れもあるのが現状だ。それが2023年以降、法改正される可能性が出てきた。そのため、適法安全かつ高い効果の期待できる“中身も日本製のCBDコスメ”も増えるとみられる。
「大麻草に含まれる麻薬指定成分は『THC(テトラヒドロカンナビノール)』といい、いまの日本ではTHCを含む商品は違法。成熟した大麻草の茎から採取した、THCを含まないCBD製品のみ認められています。
しかし、海外から輸入されたものの中には、日本では許可されていない部位から採取したCBDが使われているものもあり、これはTHCなどの麻薬指定成分が含まれる可能性が高くなります」