楽天・島内宏明の前代未聞の言動が、波紋を呼んでいる。12月14日に仙台市内の球団事務所で契約更改に臨み、現状維持の1億2000万でサイン。今季は最多安打のタイトルを獲得したが、4年契約の2年目を終えて固定制の契約内容のため、年俸は据え置きとなった。スポーツ紙各紙の報道によると、島内は記者会見の席で「毎年何のために頑張っているんだろうという風に思って。そんなに年俸も上がらないので、モチベーションっていうか、そういうところはでかい」「金額とかそういうのだけではなく、違うユニフォームを着てプレーしたいという気持ちも少なからず自分の中では出てきた」などと発言。再来年まで残っている4年間の契約期間を来年までの3年間に短縮し、来オフに他球団移籍を視野にFA権行使を認めるよう球団に訴えた。
当然、球団フロントはこの意見を却下したという。スポーツ紙デスクもあきれ顔を浮かべる。
「前代未聞の事態です。島内は昨年打点王、今年もタイトルを獲得しているので年俸が現状維持であることに不満を感じたかもしれませんが、それなら2020年オフに年俸固定制で4年契約を結ぶべきではなかった。島内の訴えを球団が認めたら、契約が成り立たなくなる。球団も島内が打撃不振、故障になるリスクを背負って4年契約を結んでいるわけですから」
島内を知る仙台のテレビ局関係者も戸惑いを隠せない。
「感性が独特で飄々としている。個性的な性格でチーム内のいじられキャラです。ただ、野球に対するストイックな姿勢は良きお手本ですね。辰己涼介を筆頭に島内の打撃をお手本にしている選手は多い。今回の発言の真意は測りかねるが、契約を破棄して来オフにFA権の行使が認められたとしても、他球団は獲得しづらい。こういった振る舞いは他の選手の模範にならない。島内は自分で自分の首を絞めている。球団に謝罪して折れたほうがいい」
球団も島内の貢献度、チームに与える影響力を高く評価して4年契約を結んだ経緯がある。戦力としても不可欠な存在だ。2016年から外野のレギュラーに定着し、昨年は打率.257、21本塁打、96打点で自身初の打撃タイトルとなる打点王のタイトルを獲得。今季も打率.298、14本塁打、77打点と不動の4番として活躍した、最多安打(161安打)のタイトルを獲得し、36本の二塁打もリーグトップ。3番・浅村栄斗と共にポイントゲッターとして稼働した。