日本から2019年に撤退した米発のアパレルブランド「フォーエバー21」が2023年2月に帰ってくる。同ブランドは2009年に日本に初出店し、良心的な価格と旬なデザインで人気を集めた一方、大量生産・大量廃棄というビジネスモデルが長らく批判の的となっていた。
「『サステナブルファッション』【※】に対する消費者の意識が高まり、撤退を余儀なくされました。新生フォーエバー21は、商品の2割にサステナブル素材を使用するなど、いまの消費者の意識に合わせた構成になっているそうです」(ファッション誌編集者)
【※衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて将来にわたり持続可能であることを目指し、生態系を含む地球環境やかかわる人・社会に配慮した取り組みのこと】
2月からECサイト「ドットエスティ」で販売を始め、4月に関東、関西のショッピングセンターに実店舗をオープンする予定だ。
こうした意識の変化は、トレンドにも色濃く反映される。ファッションジャーナリストの藤岡篤子さんが解説する。
「サステナブルは、いまのファッション界では義務のひとつと認識されています。2023年のファッショントレンドには、コロナ禍の動きが大きく影響するでしょう」(藤岡さん・以下同)
コロナ禍は、3年前と比較すると収束の兆しを見せつつある。そんななか注目されているのが、着丈の短いトップスやボトムスが流行した2000年代のファッション、「Y2K」だ。コロナ禍で外出が制限され、ファッションが楽しみづらくなったことへの反動で、エネルギッシュでカラフルな文化が戻ってきたといえる。
なかでも注目のアイテムは、機能性重視の「進化系カーゴパンツ」だ。2000年代に、SPEEDや安室奈美恵さん(45才)が着ていたアイテムといえば記憶がよみがえる人も多いだろう。
「多くのブランドからサテンやジャージーなど大人のためのカーゴパンツが発表されています。カーゴパンツは締め付けがなくリラックスでき、ポケットが多く小物を入れられるので、実用的でもあります」
新登場する「進化系」は、従来よりもカラーやシルエットが洗練されるそうだ。
「テーラードジャケットと合わせれば、きれいめのコーディネートにもできます」