スポーツ紙が連日、“死のグループ”を突破しようとするサッカー日本代表の動向を大きく報じていた11月30日、例年よりもひっそりとプロ野球・巨人の主力選手たちの契約更改が行なわれていた。V逸に加えてBクラス落ちという厳しいシーズンを終え、10勝7敗に終わった単年契約のエース・菅野智之は1億円ダウンの年俸5億円(推定、以下同)でサイン。一方、来季が5年契約の最終年となる坂本勇人は「現状維持の年俸6億円」での契約更改となった──。
いわば巨人の“機関紙”であるスポーツ報知はこのニュースを最終面で取り上げたが、その日の1~5面はW杯関連、6~9面は主催するゴルフ日本シリーズ関連の記事となっていた。今季、不本意なシーズンに終わったはずの坂本の契約更改はそこまで大きく取り上げられなかったが、在京テレビ局報道部関係者は首を傾げる。
「坂本は2019年からの年俸5億円での5年契約を結んでいるが、4年目からは変動制の契約です。昨年の更改ではそれまでの3年間が評価されて1億円アップの年俸6億円でサインしていたが、今年はかなり厳しいシーズンだったはず。
開幕直前を含めて戦線離脱が3回あり、それも1か月以上の離脱が2回。15年ぶりに出場100試合を切って83試合に留まり、規定打席に届かなかった。打率.286、6本塁打、33打点とレギュラーに定着した2年目(2008年)以降の数字でワーストに終わりました。
チームは5年ぶりのBクラスとなり、菅野も戦犯のひとりとして減俸となった。坂本の1週間後に契約更改した主砲・岡本和真も5年連続30本の大台をクリアしたにもかかわらず3000万円ダウンの2億7000万円だった。坂本は戦線離脱だけでなく、『週刊文春』に元交際相手の女性との中絶トラブルを報じられ、巨人のイメージを貶めたというのに、なぜか年俸6億円の現状維持ですからね……」(在京テレビ局報道部関係者)
巨人がこれほどに坂本を庇護する理由としては「右打者として最年少で2000本安打を達成し、将来の監督候補のひとりだから守るしかない」(スポーツ紙デスク)といった声が聞こえてくる。とはいえ、さすがに主将の座は岡本に譲ることになり、今年のドラフト4位では同じ遊撃手のポジションで即戦力といわれる創価大の門脇誠が指名され、来季は崖っぷちのシーズンとなる。