12月20日と21日の2日間、新宿・紀伊国屋ホールで、劇団「たやのりょう一座」により、劇作家つかこうへいの代表作『飛龍伝』が上演される。
『飛龍伝』は、1970年の学生運動を題材にした作品だ。40万人の学生組織「全共闘」の指導者で、東大の学生である神林美智子を主人公に、彼女を弾圧する機動隊長との激しい恋や、婚約者でありながら神林を利用して非情な作戦を実行しようとする全共闘幹部など、激動の時代にほんろうされる若者たちを描く物語だ。
『飛龍伝』は1990年代に大ヒットとなって以降、さまざまな演出、劇団、役者により再演されてきた。かつては広末涼子や石田ひかり、黒木メイサ、桐谷美玲なども主人公・神林を演じたことがある。
たやのりょう一座は、俳優の田谷野亮がプロデュースする劇団で、冒険活劇やファンタジーなど、さまざまな作品に挑戦してきた。
今回の飛龍伝では、『劇団☆新感線』を創設したこぐれ修氏が演出を手掛ける。こぐれ氏は、つかこうへいとも舞台で共演したことがあり、“つかイズム”が今回の作品に継承されているという。一座を率いる田谷野が語る。
「飛龍伝は、学生のエネルギーと、それを弾圧する機動隊のむごさ、それを超えるスケールの大きな愛。つかこうへいさん独特の表現が描かれています。
この数年、コロナ禍もあり満足に劇団の活動ができないときもありましたが、こうして仲間たちの力を借りて、上演できることに感謝しております」
たやのりょう一座の『飛龍伝』では、殺陣講師・前田悟による殺陣もあり、機動隊と学生の迫力ある格闘シーンも見ものだ。