国内

【歌舞伎町の1億円稼ぐカリスマホストの告白・前編】女性に2000万円使わせた時の心境は「僕もやっぱ負けられないんでね」

タイキ氏を悩ませた「一億の壁」

タイキ氏を悩ませた「一億の壁」

 夜ごとに無数の札束が飛び交うホストクラブだが、その中でも別格なのは1年間で1億円以上の売り上げがある“1億円プレーヤー”と呼ばれるホストたちだ。彼らは何を武器にしてこの天文学的な数字を叩き上げるのか。そして、「億」を貢ぐ女性たちは一体何者なのか。歌舞伎町の住人たちを取材した著書『ホス狂い~歌舞伎町ネバーランドで女たちは今日も踊る~』を持つノンフィクションライターの宇都宮直子氏がレポートする。

 * * *
 夜な夜な歌舞伎町に通い、ホストクラブで大金を使う「ホス狂い」の取材を進める中でわかったのは、ホストたちの“主戦場”が店だけではないことだった。直接会うのに加えて、LINEで日々連絡を取り合い、TwitterやInstagramをフォローし合う。こうしたSNSは両者のコミュニケーションツールとしてだけではなく、女の子同士が交流を深めたり、ホストたちが店の宣伝や自己アピールを綴る場としての役割も果たしている。それゆえ大手ホストクラブの幹部キャストたちはSNSでも人気者で、中には芸能人やインフルエンサー顔負けのフォロワー数を誇るホストもおり、そこで発信される情報はホス狂いの女の子たちとの会話の糸口になることが多かったため、私自身、定期的にチェックをするようにしていた。

 2022年10月27日のこと。いつものように有名ホストやホス狂いのツイートをチェックしていると、あるホストの投稿が目に留まった。

 それは「ベルサイユ理事長 タイキ」というTwitterアカウントの《タイキ、ゼクシィマンション男 ベルサイユ 『X』を退店した。》というものだった。(※『X』は歌舞伎町の名門老舗ホストクラブのことで、実際の投稿では実名だったが、ここでは『X』とする)

 同店はテレビドラマや映画のロケにも多く使用され、有名ホストを多数輩出している超有名店だ。中でも、「タイキ」氏は、歌舞伎町内でも30人ほどしかいないと言われる「1億円プレーヤー」として店外にも名を馳せる存在だった。

 もちろん筆者も彼の存在は以前から知っていた。初めて姿を目にしたのは2021年9月上旬。取材相手に誘われ、『X』を訪れた時のことだ。

 漆黒で固められたインテリアの中央には宇宙をイメージしてデザインされたシャンデリアが輝き、鏡張りの店内では照明がキラキラと星のように反射している。店内では、平日の早い時間にもかかわらず、思い思いに着飾った女性たちが、最低でも推定5万以上はするであろう高価なシャンパンをポンポンとあけていく――。嬌声を上げる彼女たちの卓と卓の間を、高級ブランドのロゴが大きく入った服に身を包み、くまなく化粧をほどこした美しい男性たちが、かけまわっている。

 その中でもひときわ目を引いたのが、タイキ氏だった。他のホストが、皆一様に中性的で線の細い印象を受ける中、身長185センチで派手な柄のシャツを着こなし、大股でフロアーを闊歩する彼の姿は、サングラス越しで表情もうかがえないこともあり、他のホストたちとは違う独特のミステリアスなオーラを放っていた。当時、タイキ氏はその月のナンバー1で、月間売り上げは2600万円超だ。

 同店の公式ホームページを覗いてみると、彼のプロフィールには「前職はカンボジアで地雷撤去 夜はジャングルでハンティング」と異色すぎる経歴が書かれていた。タイキ氏の姿は取材で何軒もホストクラブを回った中でも異彩を放っており、強く印象に残っていた。

 そんな彼の突然の退店報告は、歌舞伎町内に大きな衝撃を与えた。

 通常、人気ホストが店を辞めるとなれば、「引退セレモニー」が開かれシャンパンが次々に空き、札束も飛び交う中で華々しく見送られることがほとんどだ。しかしタイキ氏はひっそりと店を後にしている。1億円プレーヤーに一体何が起きたのか。

 話を聞くべく、タイキ氏にSNSを介して取材を申し込んだ。2時間のインタビューから見えてきたのは、未経験から3年たらずで億を売り上げたホストの「素顔」と女性たちに大金を課金される男性側の偽らざる「本音」だった。

関連記事

トピックス

子育てのために一戸建てを購入した小室圭さん
【眞子さん極秘出産&築40年近い中古の一戸建て】小室圭さん、アメリカで約1億円マイホーム購入 「頭金600万円」強気の返済計画、今後の収入アップを確信しているのか
女性セブン
公益社団法人「日本駆け込み寺」元事務局長の田中芳秀容疑者がコカインを所持したとして逮捕された(Instagramより)
《6300万円以上の補助金交付》トー横支援「日本駆け込み寺」事務局長がコカイン所持容疑逮捕で“薬物の温床疑惑”が浮上 代表理事が危険視していた「女性との距離」
NEWSポストセブン
1986~2002年【カーネル・サンダースの呪いと「長き暗黒時代」】指揮官が吉田義男から村山実に引き継がれるが、掛布や岡田の不振もあり低迷。17年間で10回のリーグ最下位
《何度も阪神贔屓を辞めようと思ったけど…》国際日本文化研究センター所長・井上章一氏が“阪神ファンを育てるメカニズム”を分析して得た結論「歴史研究は役に立たない」
週刊ポスト
カジュアルな服装の小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットで話題》小室眞子さん“ゆったりすぎるコート”で貫いた「国民感情を配慮した極秘出産」、識者は「十分配慮のうえ臨まれていたのでは」
NEWSポストセブン
有名人の不倫報道のたびに苦しかった記憶が蘇る
《サレ妻の慟哭告白》「夫が同じ団地に住む息子の同級生の母と…」やがて離婚、「息子3人の養育費を減らしてくれと…」そして驚いた元夫の現在の”衝撃姿”
NEWSポストセブン
“極秘出産”していた眞子さんと佳子さま
《眞子さんがNYで極秘出産》佳子さまが「姉のセットアップ」「緑のブローチ」着用で示した“姉妹の絆” 出産した姉に思いを馳せて…
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《日本中のヤクザが横浜に》稲川会・清田総裁の「会葬」に密着 六代目山口組・司忍組長、工藤會トップが参列 内堀会長が警察に伝えた「ひと言」
NEWSポストセブン
気持ちの変化が仕事への取り組み方にも影響していた小室圭さん
《小室圭さんの献身》出産した眞子さんのために「日本食を扱うネットスーパー」をフル活用「勤務先は福利厚生が充実」で万全フォロー
NEWSポストセブン
5月で就任から1年となる諸沢社長
《日報170件を毎日読んでコメントする》23歳ココイチFC社長が就任1年で起こした会社の変化「採用人数が3倍に」
NEWSポストセブン
岐阜県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年5月20日、撮影/JMPA)
《ご姉妹の“絆”》佳子さまがお召しになった「姉・眞子さんのセットアップ」、シックかつガーリーな装い
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《極秘出産が判明》小室眞子さんが夫・圭さんと“イタリア製チャイルドシート付ベビーカー”で思い描く「家族3人の新しい暮らし」
NEWSポストセブン
ホームランを放ち、観客席の一角に笑みを見せた大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平“母の顔にボカシ”騒動 第一子誕生で新たな局面…「真美子さんの教育方針を尊重して“口出し”はしない」絶妙な嫁姑関係
女性セブン