YAGレーザー治療後の画像

YAGレーザー治療後の画像

「移植した眼内レンズは生涯劣化しません。しかし、術後何年か経過すると水晶体を包む嚢と眼内レンズの隙間に水晶体上皮細胞が入り込み、すりガラス状の濁りとなって視力低下をきたすことがあります。この状態を後発白内障といいます。眼内レンズの素材や形状の他に、手術法によっても発生頻度は変わってきます」(赤星名誉院長)

最近の眼内レンズは主にアクリル素材で作られているが、親水性のアクリルは疎水性に比べ、後発白内障の発症が3倍以上も多い。強度の近視で水晶体が大きな眼は、これを包む嚢も大きいため、眼内レンズと嚢の間に細胞が侵入しやすくなる。他にも若い人ほど細胞の増殖力が高いために後発白内障の発症が早い。多焦点眼内レンズが濁り出すと手元の視力から低下し、徐々に遠方が見えにくくなる。老眼が戻ったのかと思うかもしれないが、後発白内障を疑ってみたほうがよい。

治療はYAGレーザーで眼内レンズの裏側の嚢に小さな穴をあける。3分ほどで処置が済む。眼球にメスを入れないので、術後の生活上の制限はなく、いったん後嚢に穴があくと水晶体上皮細胞は、それ以上は中心部に入ることができないので再発がない。

白内障手術直後に比べて視力が低下していると感じたら、まずは眼科での検査を。

取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2023年1月1・6日号

赤星隆幸・秋葉原白内障クリニック名誉院長

赤星隆幸・秋葉原白内障クリニック名誉院長

関連記事

トピックス

愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
箱根駅伝では、沿道の多くの観衆からの声援が、ランナーたちへの大きな追い風になる(写真は2025年正月の往路“花の2区”。撮影/小倉雄一郎<小学館>)
箱根駅伝で古豪・日体大を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈2〉「観衆はみんなオレの味方」と考える究極のポジティブ思考
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン