《人生のちょうど半分ほどを皇室で過ごしてきたことに、感慨を覚えております》──そう振り返られた29年半におよぶ皇室での生活は、雅子さまにとって病との闘いの日々でもあった。悲しみを過ぎ去ったものとするお言葉には、雅子さまが皇后として見据える未来が滲む。
日の丸の小旗が揺れる中、皇居・宮殿のガラス張りのベランダに並び立たれる天皇陛下と皇族方―新春恒例の新年一般参賀が、コロナ禍での中止を乗り越え、2023年1月2日に3年ぶりに開催される。
より特別な機会になることは間違いない。天皇家の長女・愛子さまが、成年皇族として初めて参加されるからだ。その証拠に、約9000人の入場者枠に対し、10万人を超える応募が集まった。
「例年は、東京・大手町で『箱根駅伝』のスタートの号砲を聞いてから、そこからほど近い皇居へ一般参賀に立ち寄る人も多いため、事前の申し込み制だとどれほどの応募が集まるか疑問視されました。
しかし、蓋を開けてみれば倍率は約11倍にも達しました。国民との直接の触れ合いが減り“皇室離れ”が囁かれてきましたが、そんな心配を吹き飛ばすようでした。多くの人が、愛子さまの“デビュー”、そして一般参賀で天皇ご一家が初めて揃い踏みされるのを心待ちにしていたのでしょう」(宮内庁関係者)
朝から夕方までの全6回のお出ましの中心は、陛下と皇后雅子さまにほかならない。2022年12月9日に59才を迎えられたばかりの雅子さまの誕生日文書からは、前向きな変化が読み取れる。
「毎年あった『快復に努める』という趣旨の言葉がなく、例年より短く簡潔な文書で、雅子さまがご自身の言葉で思いを綴られているのが伝わってきました。担当記者団に文書が渡される直前まで、何度も推敲を重ねられたようです」(前出・宮内庁関係者)
雅子さまが文書に記されたのは、未来への希望と、乗り越えてきた過去へのお気持ちだった。
両陛下が愛子さまを叱責
長く続くコロナ禍で、雅子さまはおこもり生活を続けながら、ご自身はもちろん、ご家族で体力作りと健康維持に励まれてきた。『文藝春秋』(2023年1月号)では、夏頃から陛下とともにダイエットをされたとも報じられた。
「誕生日に際して公開された写真では、以前より少し顔まわりがすっきりとされた印象で、ダイエットの“成果”が伝わってきました。ただ外見の変化は副次的なもので、目的は体調管理だったようです。
食事を見直すことはもちろん、愛子さまや職員を交えてテニスやバレーボールをされるなど体を動かし、生活のリズムを整えられたそうです。
雅子さまは2023年には還暦と同時に、陛下との結婚30周年を迎えられます。公務をしっかり担われるためにまずは体調管理が重要だと、ご夫妻で取り組まれているのでしょう」(皇室ジャーナリスト)