薬はこれ以上増やしたくないが、痛みや気になる症状は改善したい──そんな人は「漢方薬」を検討してもいいかもしれない。
オンラインサービス「あんしん漢方」の薬剤師・清水みゆき氏監修のもと、様々な症状に適した40の漢方を一覧にした。そもそも漢方はどんな時に服用するのが効果的なのか。清水氏が語る。
「自分の身体で『何かおかしい』と感じることがあれば、それは漢方の治療対象になります。たとえば、“胃もたれ”や“フレイル”など、検査では異常とされにくい不調や、冷えやイライラなどの体質に関わるものは、西洋医学では診断がつきにくい半面、漢方によるアプローチが有効と考えます」(以下「 」内は清水氏)
薬ではなく漢方を使うメリットは、症状だけでなく、患者の体質や体力に合わせて処方ができる点にあるという。
「西洋医学では咳が出たら咳止め、発熱したら解熱剤など、症状と1対1の関係で薬が処方されます。漢方では、風邪をひいた人の体力の程度で薬の選び方が変わり、それに加えて咳や熱などの症状を診ます。また、漢方では『体力を補う』目的で薬が使われる点も西洋医学にはない特徴です」
市販の漢方は安全で弱い
さらに、一般的な処方薬に比べて副作用リスクが少ないのも選ばれる理由の一つだ。即効性のない漢方は長期的に服用して様子を見ることができる。西洋薬との併用も問題ないが、一部の薬との「併用注意」の組み合わせには注意したい。
「一部の利尿薬と甘草、甲状腺の薬や喘息の薬と麻黄など、併用に注意すべき組み合わせがあるので、必ず医師や薬剤師に相談してください」
実際に漢方薬を利用したい場合、どのようにすればいいか。
「まだまだ種類がありますので、漢方薬局やオンラインなどで専門家に選んでもらうのが安全かつ最も効果的です。ドラッグストアで販売されている市販の漢方も問題ありませんが、安全性を重視して成分が少なめにされているので、それを踏まえて試してみてはどうでしょうか」
長年悩まされている症状や体質の改善に、漢方が役立つかもしれない。
※週刊ポスト2023年1月1・6日号