戦力外通告を受けたプロ野球選手たちの出処進退が決まりつつある。ソフトバンクの黄金期を築いた松田宣浩(39)は巨人に入団。その巨人にかつてFAで移籍してきた井納翔一(36)はトライアウトを受けたが、12球団から声が掛からず、現役引退を決意した。井納と同じくDeNAからFAで巨人の門を叩いた山口俊(35)、2010年代に外野のレギュラーとして活躍した中日の平田良介(34)などの去就は未定になっている。
「ベテランになると、プラスアルファの力を求められます。同じぐらいの実力なら将来性を考えて若手に経験を積ませる。そのため、普段の練習態度や後輩の手本になっているかなどチームに与える影響力が加味されます。松田は2021年まで12年連続2桁ホームランを打っているという実績もあり、戦力としても期待されています。ただ、それだけでは来季40歳を迎えるベテランに手を伸ばせない。野球に取り組む姿勢が真摯で、ムードメーカーにもなれる点が期待されているのでしょう」(プロ野球担当記者。以下同)
“宇宙人”と呼ばれ、言動の破天荒さも注目された井納は巨人移籍1年目の開幕前、ジャイアンツ球場で練習に向かう際、グラウンドへ通じる階段を下りる時に最後に思い切りジャンプをして、入り口の鉄柵に頭をぶつけて8針も縫う傷を負った。当初、ケガの原因は発表されず、原辰徳監督は「恥ずかしすぎる」と言い切った。
「井納は自ら盛り上げるタイプではないですが、周りがイジって生きるという意味でのムードメーカーではありました。ただ、ベテランで移籍選手となれば、年下の選手はどう接していいかわからない。トライアウトでは最速147キロを投げていましたし、ケガをしているわけでもない。巨人の水に合わなかっただけで、まだ活躍できたという声は少なくない。それでも、敢えて獲得するほどの実力やプラスアルファはないと他の11球団は判断したのでしょう」