「陸上もビジネスに当てはめただけですよ。人として、男として、自立させる。それが私の指導理念です。青学大は大きなブレーキがあまりない。日頃の目標管理を徹底してきた成果だと思います。監督がいるからやるのではなく、本質を追求させてきました」
原の指導でチームは成熟。監督不在でも、選手たちは高いモチベーションを保ち、箱根でも快走した。
レース中、運営管理車から選手にかける声も違う。大八木はここぞ、というタイミングで「男だろ!!」と発して、選手の底力を絞り出す。原は選手が沿道の声援に応えた場合、「いいぞ!」とさらに背中を押すなど、とにかく選手の気持ちを上げさせていくのだ。
ふたりは水と油。混ざり合うことはない。2023年の正月、勝つのはどっちだ。
(文中一部敬称略)
取材・文/酒井政人
※週刊ポスト2023年1月1・6日号