宴会好きのタレントといえば、ひと昔前までは、真っ先にこの人の名前が挙がっていただろう。歌手の和田アキ子(72才)。毎年4月には、大勢の親しい芸能人を集めて大々的な誕生会を催していたが、2020年からコロナ禍に入ると、その年を含め2年間は自粛。飲みたい、語りたい……そんなうずうずしていた気持ちも、2022年は幾らか解放できたようだ。
2022年最初の寒波が襲い、寒さに震えた12月上旬の午前2時。都内の繁華街の暗がりで、和田はおぼつかない足取りで迎えの車の前まで歩いてくると、そばにいた年配男性と満足そうにギュッとハグ。ほかの人たちとも何度も抱き合う。ベロベロに酔っているように見えたが、見送る関係者らへの感謝は忘れない。最後まで名残惜しそうに手を振りながら車に乗車すると、関係者らも和田の車が見えなくなるまで、手を振り見送っていた。
この夜は、東京・青山のブルーノートでの和田の歌手デビュー55周年ライブだった。終了したのは午後9時。その後は移動して、鶏肉料理の隠れ家風居酒屋で、信頼できるスタッフたちを集めての打ち上げを催した。ある和田の知人は「ライブは2時間でしたが、飲み会は5時間以上。うれしそうにみんなにライブの感想を尋ねていました。お店は芸能人御用達で、とにかく鶏肉が美味しい。お酒も進んでいたようで、70才を過ぎてもアッコさんはまだまだ元気です」と笑いながら振り返った。
冠番組の『アッコにおまかせ!』(TBS系)では、準レギュラーの出川哲朗(58才)やカンニング竹山(51才)らが、宴席で和田の酒癖の悪さを笑いのネタにしているが、とにかく寂しがり屋の“かまってちゃん”だと言われてきた。
「みんなが慕ってくれる、寄って来てくれることがうれしくて、少人数で語り合う飲みも好きですが、大勢集めてワイワイやるのも大好き。コワモテでならしていますが、懐は深いので、自分をネタにされても、大阪人のノリで軽妙な笑いで返すから、一緒に飲むみたい人も多いんです。ただ、しょっちゅう飲み会をするだけに、泥酔したときにグーパンチを食らった“被害者”も大勢いるし、寂しがり屋でついつい長時間も引っ張るものだから、『アッコさんの飲み会は楽しいけど疲れるよ』と苦笑いして、ちょくちょくスルーする人もいるというわけです」(前出・和田の知人)
冗談は許されるが、良し悪し抜きに、いわゆる昭和の体育会系の飲み会。「ハグはもちろん、キスもされますよ(笑い)。でも、それは楽しさの裏返し。相手する人たちも嫌がったりしていない。基本は楽しい飲み会なのです」と続ける。令和の若者視点でいえば、一種の“パワハラ”と取る人もいるかもしれないが、和田を知る関係者やタレントたちは、少し違う考えを持っているようだ。中には「アッコさんとの飲み会で、箸の持ち方やテーブルマナーを厳しく教わりました。泥酔中のアッコさんの振る舞いは一旦置いておいて(笑い)、そういう礼儀作法まで学べて、僕は感謝しかありません」。そう話す若手芸人もいる。