12月27日、年末恒例となった『プロ野球戦力外通告』(TBS)が放送され、今年はオリックスの海田智行(35)、斎藤佑樹と早稲田大学の同級生で楽天の福井優也(34)が密着取材された。
3年前、55試合に登板して防御率1.84と好成績を収めた海田は今季一軍登板なしで、戦力外に。11月にトライアウトに挑戦するも、どの球団からも声は掛からなかった。しかし、阪神から年俸700万円でバッティングピッチャーの誘いがあった。今まで打者に立ち向かってきた海田は打ちやすい球を投げる打撃投手への転身に乗り切れず、断りを入れた。これに対し、ネット上では疑問の声も上がっていた。
「ファンからすれば、年俸700万円で好きな野球に携われるオファーは好条件に思えたのでしょう。海田は来年36歳ですから、戦力外通告された時点で現役続行の可能性は低かった。妻はトライアウトで投げる姿を見て泣いていました。これが最後のユニフォーム姿になると覚悟していたからでしょう」(プロ野球担当記者。以下同)
今季の海田の推定年俸2200万円と比較すれば、阪神打撃投手の年俸は約3分の1になるが、日本人の平均年収443万3000円(2021年/国税庁『民間給与実態統計調査』)と比べればはるかに高い。
「単純に金額だけ見れば、なんで断るんだと思われるでしょうけど、人それぞれ感覚は違いますからね。海田もお金だけにこだわれば、打撃投手になったと思いますよ。実現はしませんでしたが、独立リーグで現役を続けようとしていた。もしそうなっていたら、年俸200万円に届かない場合もある。良くても300万円くらいでしょうか。お金で割り切れない部分があったのでしょう」
番組放送翌日の28日、海田は自身のインスタグラムを更新し、現役引退を表明した。