「若者のテレビ離れ」が進み、その対策のために民放では世帯視聴率よりもコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)を重視するなど近年、「テレビの高齢者離れ」が指摘されている。公共放送たるNHKまで若者偏重に走れば、不満の声が上がるのも無理はないのかもしれない。大野氏はこう話す。
「テレビを持たない、見ない若者が増えると受信料に頼るNHKの存続自体が危ぶまれます。だとしても、中高年をバッサリ切り捨てるのではなくて、例えば中高年世代に馴染みのあるフォークやニューミュージックの歌手をもう少し増やしてもいいのではないか」
相次ぐ指摘を受けてか、「特別枠」として今年コンサート活動から引退した加山雄三やデビュー50周年となる松任谷由実、桑田佳祐らによるスペシャルバンドなど中高年にも馴染みのある歌手の出場が後追いで発表された。「みなさまのNHK」には、公共放送としてのあり方が問われている。