11月の出場者発表では「中高年の視聴者が切り捨てられた」などという指摘も出ていた今年の『NHK紅白歌合戦』。その後、特別企画で加山雄三、松任谷由実、安全地帯、「桑田佳祐feat.佐野元春,世良公則, Char,野口五郎」など、50代以上にも馴染み深い歌手の出演が明らかになった。しかし、高齢者に根強いファンが多い“演歌勢”は石川さゆり、坂本冬美、天童よしみ、水森かおり、三山ひろし、山内惠介など少なくなっている。
「前々からNHKは演歌歌手をどう扱うかに頭を悩ませていました。昭和の時代は演歌人気が高かった。しかし、平成に入ってから演歌のヒット曲はあまり出なくなった。もともと、紅白はその年のヒット曲を歌う番組でしたから、演歌勢は趣旨に合わなくなっていった。それでも一気になくすわけにはいかないので、出場は続いていますが、やはり視聴率が取れない。チャンネルを替えられるケースが多くなっていたので、演歌歌手の扱いについては長年の課題でした」(テレビ局関係者)
演歌・歌謡系の出場者は2000年に全56組中31組と半数以上もいたが、2020年には41組中9組と4分の1以下にまで減少した。
「北島三郎さんが50回出場となった2013年を最後に紅白から身を引いた。2018年に特別出演をしていますが、この『50回出場』が他の歌手にとっても大きな区切りになったようです。北島さんの記録を抜いてはいけないという“暗黙の掟”ができたようで、NHKもそれを利用しているフシがあります。
たとえば、五木ひろしさんは50回出場の2020年を最後に出ていません。表向きは勇退になっていますが、本人はまだまだ出る気満々だった。昨年の発表前、インタビューでも紅白出場への意欲を見せていました」(芸能記者)