ネット全盛の時代、若者のテレビ離れが加速し、各局のアナウンサーの役割も変化しつつある。これからテレビを彩る“華”たちはどこに向かうのか。元局アナ3人(石井希和=元テレビ朝日、中村仁美=元フジテレビ、亀井京子=元テレビ東京)が、2023年の女性アナウンサーについて語りつくした。(全3回の第1回)
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中村:昔と今のアナウンサーでは、働き方が全然違ってきていますね。私たちの頃よりも番組に出る仕事が減って、SNSの発信が増えました。
石井:この前、フジテレビの堤礼実アナがTikTokで踊っている動画を見たんです。すごく可愛くて、ビジュアルがもうアイドルみたいで。最初アナウンサーとわからなかった(笑)。喋らないで踊るだけというのも仕事になってる。
亀井:私たちの頃はアナウンサーが少なかったし、みんな忙しくして、とにかく与えられた仕事を一生懸命こなしていましたよね。
中村:今は局の事情もあって若手が修業するための“お試し番組”ができなくなっているので、かわいそうな気もします。そんななかで若い子たちがアナウンサーという仕事に満足できているのかなと思っていたんですけど、同僚曰く「テレビ以外のSNSである程度満足できているんだよ」と。私たちの時代にはなかった感覚ですよね。
石井:雑誌の企画で、グラビアアイドルのような格好で写真を撮ることに抵抗がない子もいます。上司が難色を示すような写真でも、「媒体の需要があるから載せたい」と本人が希望したり。10年ぐらい前、SNSに掲載する写真を巡ってアナウンス部内で議論していたケースもあった。
亀井:私の頃にも仕事風景の撮影はありましたけど、報道も意識しているのでキチッとした衣装を着ていました。でも、最近はアナウンサーの衣装にもアイドル的要素を求められている気がします。
中村:フジでは女性アナウンサーのカレンダー撮影がありましたけど、あれもコスプレみたいだったな(笑)
亀井:中村さんはどんな衣装で撮影したんですか?
中村:ウェディングドレス! なぜか工事現場で着るツナギとか、ゴルフウェアや制服も。