WHOはヘッドホン難聴予防の目安として80デシベルの音は1週間に40時間内にとどめようと啓蒙し、90デシベル(オートバイの爆音程度)は1週間に4時間以内と厳しい条件を推奨している。
「電車の中など周囲がうるさい環境で音楽を聴く場合、どうしても大音量になりがちです。これを防ぐにはノイズキャンセリング機能が付いたヘッドホンやイヤホンが効力を発揮します。周囲の騒音をカットするので、音量を下げることにも繋がります。大音量で障害された聴毛は元に戻りません。だからこそ、ヘッドホンやイヤホンなどの使用時間を短くし、意識的に耳を休ませることが大切となります」(石井診療部長)
ヘッドホン難聴だけではなく、突発性難聴患者も年齢を問わず増えてきている。また難聴は耳鳴りの原因であり、耳鳴り患者も多い。その中には聴力検査で難聴がないのに耳鳴りを訴える患者がいる。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2023年1月13・20日号