迷走を極める岸田政権。この状況を打破するのは、“ガラスの天井”をブチ壊す女性リーダーの登場ではないのか。自民党の野田聖子・衆議院議員、立憲民主党の辻元清美・参議院議員、共産党の田村智子・参議院議員の3人が、党の垣根を飛び越えて語り合った。(全3回の第1回)
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辻元:2021年9月の自民党総裁選では4人の総裁候補のうち、2人が女性でしたよね。私はあの時「やられた!」と思ったんです。自民党に先を越されたと。
野田:あの時は岸田(文雄)さんと河野(太郎)さん、高市(早苗)さん、私の4人の戦いでしたね。かつての総裁選は派閥の長じゃないと出られなかったので、自民党も随分変わった。同じ女性でもキャラクターや政策が両極端な2人が立候補できたのは大きな進歩です。
辻元:自民党は与党だから、総裁候補イコール総理候補です。立憲民主党は自民党に触発され、2021年11月の代表選に西村智奈美さんが立候補しました。結局、泉健太さんが代表に選ばれたけど、西村さんは野党第一党の幹事長に就任し、2022年7月の参議院選挙の候補者の半数を女性にしたんです。
野田:2008年の総裁選に小池(百合子)さんが出馬した時には、森(喜朗)元総理が「女性も出さないと国民政党のバランスを欠く」と主張して女性候補が実現したんだよね。でも2021年の総裁選では私も高市さんも自分のやりたい政策を掲げ、党内の仲間の支援を得て立候補したんです。
田村:野田さんが少子化担当大臣の時に性教育について質問して、答弁に共感していたので、内心、野田さん頑張れと思っていました。自民党内も変わっただろうけど、世論も変化しました。東京五輪時の森さんの“わきまえない女”騒動くらいから一部の男性による女性観への反発が広がり、それが政治に届いた感じがします。
男が要職を手放さない
辻元:それでも国会議員は圧倒的に男性議員が多い。私は26年前に土井たか子先生から「女性の国会議員が少なすぎるから立候補して」と誘われたけど、女性議員は増えても幹事長や国対委員長など党の幹部に女性が起用されない。男の人が要職を手放さないんですよね。
田村:私は共産党初の女性政策委員長です。ウチも遅れていて、女性議員は増えているけど、党の幹部は少ない。幹部の党務の負担はかなり重いですから、子育てなど女性の負担に配慮しなければとなって、幹部に起用することが遅れたという面があります。
辻元:女性が権力を手にすることが目的ではなく、権力を手にしてから何をしたいかが重要です。かつて総理を目指した小池さんは権力指向が強く見えたけど、野田さんは子供や環境をやりたいとかあるでしょう? 大切なのはビジョンです。