国内

【野田聖子×辻元清美×田村智子】3議員が党派超えて語る女性政治家“ガラスの天井”

左から立憲民主党の辻元清美・参議院議員、自民党の野田聖子・衆議院議員、共産党の田村智子・参議院議員

左から立憲民主党の辻元清美・参議院議員、自民党の野田聖子・衆議院議員、共産党の田村智子・参議院議員

 迷走を極める岸田政権。この状況を打破するのは、“ガラスの天井”をブチ壊す女性リーダーの登場ではないのか。自民党の野田聖子・衆議院議員、立憲民主党の辻元清美・参議院議員、共産党の田村智子・参議院議員の3人が、党の垣根を飛び越えて語り合った。(全3回の第1回)

 * * *
辻元:2021年9月の自民党総裁選では4人の総裁候補のうち、2人が女性でしたよね。私はあの時「やられた!」と思ったんです。自民党に先を越されたと。

野田:あの時は岸田(文雄)さんと河野(太郎)さん、高市(早苗)さん、私の4人の戦いでしたね。かつての総裁選は派閥の長じゃないと出られなかったので、自民党も随分変わった。同じ女性でもキャラクターや政策が両極端な2人が立候補できたのは大きな進歩です。

辻元:自民党は与党だから、総裁候補イコール総理候補です。立憲民主党は自民党に触発され、2021年11月の代表選に西村智奈美さんが立候補しました。結局、泉健太さんが代表に選ばれたけど、西村さんは野党第一党の幹事長に就任し、2022年7月の参議院選挙の候補者の半数を女性にしたんです。

野田:2008年の総裁選に小池(百合子)さんが出馬した時には、森(喜朗)元総理が「女性も出さないと国民政党のバランスを欠く」と主張して女性候補が実現したんだよね。でも2021年の総裁選では私も高市さんも自分のやりたい政策を掲げ、党内の仲間の支援を得て立候補したんです。

田村:野田さんが少子化担当大臣の時に性教育について質問して、答弁に共感していたので、内心、野田さん頑張れと思っていました。自民党内も変わっただろうけど、世論も変化しました。東京五輪時の森さんの“わきまえない女”騒動くらいから一部の男性による女性観への反発が広がり、それが政治に届いた感じがします。

男が要職を手放さない

辻元:それでも国会議員は圧倒的に男性議員が多い。私は26年前に土井たか子先生から「女性の国会議員が少なすぎるから立候補して」と誘われたけど、女性議員は増えても幹事長や国対委員長など党の幹部に女性が起用されない。男の人が要職を手放さないんですよね。

田村:私は共産党初の女性政策委員長です。ウチも遅れていて、女性議員は増えているけど、党の幹部は少ない。幹部の党務の負担はかなり重いですから、子育てなど女性の負担に配慮しなければとなって、幹部に起用することが遅れたという面があります。

辻元:女性が権力を手にすることが目的ではなく、権力を手にしてから何をしたいかが重要です。かつて総理を目指した小池さんは権力指向が強く見えたけど、野田さんは子供や環境をやりたいとかあるでしょう? 大切なのはビジョンです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
フジテレビの取締役候補となった元フジ女性アナの坂野尚子(坂野尚子のXより)
《フジテレビ大株主の米ファンドが指名》取締役候補となった元フジ女性アナの“華麗なる経歴” 退社後MBA取得、国内外でネイルサロンを手がけるヤリ手経営者に
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン