迷走を極める岸田政権。この状況を打破するのは、“ガラスの天井”をブチ壊す女性リーダーの登場ではないのか。自民党の野田聖子・衆議院議員、立憲民主党の辻元清美・参議院議員、共産党の田村智子・参議院議員の3人が、党の垣根を飛び越えて語り合った。(全3回の第2回。第1回から読む)
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田村:永田町で生き残るには本人の実力や努力が欠かせません。それなのに高市(早苗)さんが、「安倍さんという後ろ盾を失った」と殊更に言われるのはどうなのでしょう。私は政策的にもイデオロギー的にも対極にいますが、彼女が大臣で総裁選に出て目立つからと、男性とは違う形でバッシングされるのは納得できません。
辻元:総裁選で菅(義偉)さんが河野(太郎)さんのバックについても何も言われないのに、女性だと「○○という後ろ盾がある」と陰口を叩かれるのはおかしい。“女はわきまえろ”につながりますよね。
田村:女性総理誕生のためにはこうした意識を変える必要があります。慣習や前例を重んじる国会をどう改革するのかが問われてきます。
野田:自民党の女性議員が今プッシュしているのは、妊娠出産前後の国会出席ルールを変えることです。欠席を許さず「子供を産むなら国会議員をやるな」なんて声もありますが、オンラインで出席や採決ができるよう働きかけています。
辻元:やはり子育てと政治活動が両立できないと、次の世代の女性は選挙に出にくい。それに子供ができた時、男性議員は「おめでとう。跡継ぎができてよかったね」と言われるけど、女性議員は「うわあ大変だね。選挙は大丈夫なの」と言われるのも何でやねん、ですよ。
野田:ウチは育児の9割を夫がやっています。その結果、子供はママがいないとダメというのは嘘だとわかった。
辻元:野田さんは夫が「内助の功」という特別なケースです。女性政治家の夫が地元活動や育児を頑張るのはレアケースです。岸田(文雄)さんが奥さんを立たせて、自分は座って食事する写真をツイッターにあげて炎上した時は、「岸田さんもこの手の男か」と思いましたよ。
田村:女性が候補者になったら夫は表に出てきません。応援演説で夫が「どうかうちの妻をよろしくお願いします」と頭を下げるシーンをまず見たことがない。
辻元:立憲民主党の小川淳也議員は、奥さんが「妻です」というタスキをかけて夫の選挙応援をして議論になりました。地方ではそういう空気があるのかもしれないが、もうやめていかないと。
田村:私は子供が小さい時に何度も選挙に落ちて、「お子さんはどうされていますか」とよく聞かれました。子育てのことって、男には聞かないけど女には聞きますよね。