それは、どんな時間に食事をしても、100kcalは100kcalだからです。運動量が同じなら、100kcalを昼に摂っても深夜に摂っても大きな違いはないはずです。遅い時間に食べて太ったとしたら、おそらくは食べすぎによるものでしょう。毎晩のようにお酒を飲んだり、アイスクリームやスナック菓子を食べたりしたら太って当たり前です。
ただし、夕食の時間が遅いと、胃の不快な症状が起きやすいのは確かです。日本人の胃は硬い穀物をじっくり消化するのに適していますが、特に脂肪分の多い食品は必要以上に長く胃にとどまってしまいます。これにより、胃がもたれたり、胃酸が出続けて胃が荒れたり、胃酸が食道に上がる逆流性食道炎を発症したりする恐れがあります。
日本人が健康になるのに欠かせないのは、遺伝子が作る日本人の体の特性を知ることです。次回は、運動を含む生活習慣の工夫についてお話しします。
(次回につづく)
【プロフィール】
奥田昌子(おくだ・まさこ)さん/愛知県出身。内科医。京都大学大学院医学研究科修了。生命とは何か、健康とは何かを考える中で予防医学の理念にひかれ、健診・人間ドック実施機関で30万人以上の診察にあたる。
※女性セブン2023年1月19・26日号