ライフ

市販薬に含まれる「依存性が生じる成分」 鎮痛剤、総合感冒薬、咳止め薬への懸念

薬(写真/GettyImages)

市販薬には依存症を引き起こす懸念も(写真/GettyImages)

 新型コロナウイルスとインフルエンザが同時に猛威を振るい、ひとたび“陽性”が出たら家にこもらざるを得ない今冬、ドラッグストアやインターネット通販で24時間手に入る市販薬は命綱といっても過言ではない。しかし、誰でもどこでも買えるその一粒が、あなたの体を蝕んでいる可能性がある。薬剤師の長澤育弘さんが解説する。

「市販薬の中には少量ですが、のみ続けることで麻薬と同様の依存性が生じる成分が含まれる商品もある。実際にドラッグストアで咳止め薬などを大量購入し、服用し続ける人が問題視されています。

 最初から快楽目的でなかったとしても、長くのみ続けるうちに服用せずにはいられなくなるケースもある。特に女性は小柄で体重が軽く、薬が効きやすいため、それだけ依存に陥る危険性も高い。さらに、年をとると血液の量も減って薬の成分が循環しやすくなるため、年を重ねた女性は注意が必要です」

 特に、医師が決めた用量以上は購入できない処方薬と違い、基本的に市販薬には販売制限がない。あらかじめ市販薬が持つ依存性について知っておかなければ、無意識のうちに服用量が増える危険性があるのだ。

風邪薬が原因で不整脈が起きる

 総合内科専門医で『医師が教える市販薬の選び方』の著書がある平憲二さんによれば、依存性の高い成分は、覚醒作用がある「アッパー系」と催眠や鎮静作用がある「ダウナー系」に大別されるという。

「両者ともに脳の中枢神経に作用する成分です。簡単にいえば、アッパー系は眠気がなくなって気分が高揚し、ダウナー系は神経の高ぶりが抑えられ、眠気が出る。例えば、鎮痛薬によく使われる『無水カフェイン』や、総合感冒薬、咳止め薬によく使われる『エフェドリン』は、アッパー系に分類され、のみすぎると脳や心臓に負担をかける。

 ダウナー系で代表的な成分は、睡眠改善薬から風邪薬まであらゆる薬に含まれる『抗ヒスタミン薬』。催眠性があり、認知機能の低下も報告されています」(平さん・以下同)

 多くの薬には「アッパー系」「ダウナー系」両方の成分が含まれている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン