警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、3年ぶりに活気が戻った初詣や縁日の屋台で売れるものについて。
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初詣で訪れた神社の境内には、久々に屋台がずらりと並び、新年の賑わいを取り戻していた。そこで屋台を出していたのはテキヤと呼ばれる露天商だ。親分子分の関係や一家といった疑似家族制度で成り立っている組織が多いため、暴力団組織と間違われやすいが、現在、そのほとんどは暴力団と関係がないという。
だが暴力団の中にはテキヤ稼業をシノギとしていた組もあったため、テキヤ事情に詳しい組もある。今でもテキヤに関わりがあるという組の幹部に、屋台の現状を聞くと「コロナ渦でも変わらず儲かるのはベビーカステラ」という。原価がかからない割に個数が出るので、ひとたび評判になると稼ぎが違うのだ。
「コロナ前は、おでんやイカ焼きなどの焼き物を売る茶店が儲かった。店先に椅子とテーブルを置いて食事ができるようにした店だ。海の家もそうだが、あそこで食べると、なんだか美味い気がするから売れる」と幹部は笑う。
茶店になると客単価が平均して高くなるようだ。「おでんに酒、焼き鳥にビール、椅子に座ると酒好きの人間はどうしても飲みしたくなって金を使う。ただ茶店は作る人と運ぶ人など人手がいる。1人ではできないから人件費もかかる。利益率はベビーカステラほどよくない」
利益率が高く儲かるのは、ベビーカステラと綿菓子らしい。「チョコバナナもけっこう儲かるが、カラフルなスプレーチョコなどのトッピングをいろいろ揃えると金がかかる。お面売りも儲かったが、最近は見なくなった。以前はお面の原価が一枚数十円程度。それをいい値段で売っていたのだから、儲かった。キャラクターのお面があれば、欲しいとねだる子供もけっこういたし、盆踊りの時にお面をつけて踊ったり、きつねのお面を頭の横につけて踊ったりする時代だったからね。今とは違う」と幹部はこぼす。
どんな時でも平均して売れるものは?と聞くと「味がおいしいまずいではなく、見た目で売れる物だ」。リンゴ飴などのアメ系がそうだが、飴細工や水あめは技術がいるため、素人がやろうとしても難しいと幹部は説明する。「見た目で売れる代表格が焼きそばだ。焼きそばは見た目で美味しいかどうか見当がつく。おいしそうに見えなければ客は買わない。とりあえず焼いておけばいいという店はまずいことが多いし売れない。客が並んで、バンバン焼いている所がおいしい店だ」