3月に開催されるWBCに臨む侍ジャパンの骨格が見えてきた。栗山英樹監督は1月6日の記者会見で、代表に選出した12人を先行発表。野手は源田壮亮(西武)、牧秀悟(DeNA)、近藤健介、甲斐拓也(共にソフトバンク)、鈴木誠也(カブス)、村上宗隆(ヤクルト)。投手はダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(エンゼルス)、山本由伸(オリックス)、佐々木朗希(ロッテ)、戸郷翔征(巨人)、今永昇太(DeNA)が選ばれた。
さらに、今オフにオリックスからポスティング・システムでレッドソックスに移籍が決まった吉田正尚、カージナルスのラース・ヌートバー、ヤクルト・山田哲人、中村悠平が内定したことも判明。スポーツ紙各紙も正式発表に先駆けて内定選手を報じ続け、最終メンバー30人の枠は着々と決まりつつある。
山田は昨季打率.243、23本塁打、65打点、10盗塁と精彩を欠いたが、国際試合で勝負強い打撃を発揮した実績が評価されたのだろう。2017年のWBCでは2次ラウンド第2戦・キューバ戦で先頭打者アーチを放つなど1試合2本塁打。2019年のプレミア12でも決勝・韓国戦で2点差を追いかける2回に左翼席へ逆転3ランを放ち、優勝に導いた。2021年の東京五輪では1次リーグ2戦目のメキシコ戦で3ラン、準決勝・韓国戦で同点の8回2死満塁から左翼フェンスに直撃する走者一掃の決勝適時二塁打と大暴れ。打率.350、1本塁打、7打点、3盗塁で金メダルに大きく貢献し、MVPに輝いた。
スポーツ紙デスクは「選手によって国際舞台の向き不向きがある。山田は前者でしょう。重圧がかかる大舞台に滅法強い。本職が二塁の牧秀悟は一塁も守れるので、山田と併用することが可能です」と代表選出に納得できるとした上で、こう続ける。
「代表選出でもう1人、動向が注目されるのが坂本勇人です。2013、2017年のWBCに出場し、東京五輪でも初戦のドミニカ共和国戦でサヨナラ打を放つなど、1次リーグ戦から準決勝までの4試合全てで打点を挙げる活躍を見せた。初対戦の投手を苦にせず、どの打順でも対応できる。巨人で主将を8年間務めましたが、チームを引き締めるリーダーシップも大きな魅力です。侍ジャパンのメンバーが先行発表されましたが、背番号6は空いている。選ばれるか注目ですね」
遊撃は俊足と堅実な守備に定評がある源田が選ばれているが、人材不足だ。ヤクルト・長岡秀樹、オリックス・紅林弘太郎、広島・小園海斗と若手が頭角を現しているが、ぶっつけ本番のWBCで実力を発揮できるかは未知数だ。昨年11月の強化試合では阪神の中野拓夢が選出されたが、遊撃の守備に不安が残る。さらに阪神の岡田彰布監督は今年から中野を二塁にコンバートさせる方針を示しており、WBC本戦で選出されるかは微妙な状況だ。