防衛予算確保のための増税が大批判を浴びると、今度は「少子化対策」のために増税が必要だと言う。どんな口実をつけてでも税を上げたい岸田政権を支える“増税派”議員たちの資産を覗いてみると、彼らの金銭感覚がよくわかる。
この岸田大増税を推進しているのが、麻生太郎・副総裁、茂木敏充・幹事長、林芳正・外相、加藤勝信・厚労相、宮沢洋一・自民党税制調査会長、甘利明・元経済財政相、森山裕・税調副会長ら首相を支える自民党増税派の7人衆だ。いずれも資産家の世襲議員や金持ち議員で、どんなに増税しても自分たちは生活に困らない顔触れが揃っている。
別掲の表は、国会議員の資産公開で報告されている7人の資産をまとめたものだが、資産公開の基準では、不動産価格は実勢価格よりはるかに低くなる「固定資産税課税標準額」で計算し、金融資産も現金と普通預金は非開示。保有株は銘柄と株数だけで評価額は算定しないという、資産を少なく見せかける仕組みがあるため、公表額は実際の資産を反映していない。
そこで彼らの本当の金満資産を公開したい。
棟が連なる大邸宅
まずは防衛増税の旗振り役の麻生氏だ。防衛費増額をめぐる自公協議では責任者として増税方針をまとめた。
「防衛費の増強はやむを得ない。それに伴って、ある程度、増税があり得るかもしれない」と新年の講演でぶち上げた。
麻生氏は政界屈指の資産家で、「資産価値50億円」ともいわれる渋谷区神山町の敷地約2500平米の洋風豪邸はよく知られているが、地元・福岡県飯塚市の中心部にある麻生邸は規格外の広さだ。周囲を長大な石垣と白壁の塀で囲まれた本宅の敷地は2万坪、離れが2000坪で、その中に「廊下で100メートル走ができる」(麻生派議員)といわれる純日本家屋の大御殿が建つ。敷地の一角にある麻生グループの迎賓館・大浦荘と日本庭園は一般公開され、学生の社会科見学コースになっている。
一方、政府側の旗振り役は林氏。昨年7月の訪米時の講演で「日本の防衛費増額」を約束して流れをつくり、昨年末に増額が決まると米国のブリンケン国務長官との会談で報告した。
「外相就任まで自民党税制調査会のインナーを務めた増税派。防衛費増額にあたっても財源確保を重視し、党内で反対が強かった岸田総理の防衛増税の方針を閣内から支えた」(官邸筋)とされる。