昨年末の『NHK紅白歌合戦』に出場し、『死ぬのがいいわ』で圧巻のパフォーマンスを披露した藤井風(25才)。音楽配信サービス『Spotify』によれば、2022年に海外で最も再生された国内アーティストの楽曲で同曲が1位になった。いまや日本を代表するシンガーソングライターである藤井だが、時に独特な死生観や感情表現がぶつけられることのあるその楽曲をめぐって、大論争も巻き起こっている。
『週刊文春』(2023年1月19日号)は、《紅白歌手 藤井風が“伝道”するサイババの教え》という記事を掲載した。藤井がアルバムや個人レーベルの名前にサイババの格言を用いていることから、「まるでサイババの教えを布教しているように見える」と、一部のファンが問題提起を始めたという。
「布教」とやり玉に挙げられているアルバムタイトルは「HELP EVER HURT NEVER」(常に助け、決して傷つけない)、「LOVE ALL SERVE ALL」(すべての人を愛し、すべての人に奉仕する)。いずれもサイババの有名な言葉だ。個人レーベル『HEHNレコーズ』も「HELP EVER HURT NEVER」の頭文字をとったものだ。
宗教ジャーナリストで、雑誌『宗教問題』編集長の小川寛大氏が解説する。
「サティヤ・サイ・ババはインドの霊的指導者です。神の生まれ変わりという評判のもと、インド国内でその説法を聴くと不治の病が治る、とか手から聖なる灰を出して、手の上の銅の指輪を金の指輪に変える……といった“奇跡”を見せることで知られ、1990年代にワイドショーで大きな脚光を浴びました。教義自体は、『すべての人を愛し、すべての人に奉仕する』といった愛と慈善の心を教えるというものでした」
藤井はそういった言葉を、父から教えられたという。藤井の父の知人が明かす。
「お父さんはインドの宗教への関心が強くて、風くんも幼い頃から家族でお祈りを捧げるようなことを常にやっていた、と聞いています」
実際、藤井は2020年に『報道ステーション』(テレビ朝日系)で、「うちのおとんが大切にしている言葉」と語っていた。また、雑誌『GQ JAPAN』(2021年10月号)では《スピリチュアルな気持ちでいる、人の役に立つことをやるという精神をわしに教えてくれたのはお父さんで、わしの音楽には、そういう精神性が欠かせません》とも明かしていた。
“サイババ信仰”からくる藤井のスピリチュアル生活は、親元を離れても変わっていないようだ。
「楽曲のセールスも順調ですし、YouTubeの広告収入は年間5000万円ともいわれていますが、東京郊外の家賃8万5000円ほどのアパートで質素に暮らしているようです。
芸能界での交友関係が広まるのも避けているみたいです。MISIAさん(44才)とは、ニューヨークで行ったライブに藤井さんがプライベートで行ってから交流が始まり、いまも互いのコンサートを見に行ったりしています。
あとは先日、土屋太鳳さん(27才)と結婚した片寄涼太さん(28才)とはLINE友達。ボイスレッスンの先生が一緒で、レッスンの時間が前後だったことがあり、そこから話すようになったみたいです。ただ友人は少なく、ひとりの時間を好んでいるようにみえますね」(芸能関係者)