被害者が救われづらい、ぶつかり男被害だが、昨今では、事件の目撃者達が一部始終をスマホで撮影するなどした映像がネット上で拡散される事例が出てきたことで、ぶつかり男優位の状況が一変するかも知れないという期待もある。私刑につながることだけは避けねばならないが、注意喚起になり、犯人の検挙に繋がることもあるだろう。
ぶつかり男の被害に遭うのは、天変地異に遭遇するようなものかもしれない。だから被害者には何の非もない。「そんな危ない場所に行く方が悪い」「夜、出歩くのが悪い」「悪意にとらえる女性がおかしい」など、被害者に非があるかのような言説が少数とはいえ必ず出現するが、それは歪んだ認知なので無視すればよい。ぶつかり男は男性には何もしないという特性が知られるようになったからか、最近は、とっさに被害を邪魔してくれる通りすがりの男性も少なからずいるともいう。理不尽な犯罪の被害者になると、世の中すべてが自分に対して悪意だらけのように感じるときもあるかもしれない。彼女たちが再び笑顔で街を歩けるようになる社会の力が、今の日本にはまだあると思いたい。