ベストタイミングは2回目の診察時
治療における自身の軸が定まりメモが完成したら、しっかり意見を伝えよう。精神科医の和田秀樹さんがアドバイスする。
「機嫌を損ねないために気を使いすぎる必要はない。人間同士だから、ある程度は角が立つものです。気に入られるために“袖の下”を渡す人もいますが、逆効果なので絶対にやめるべき。へりくだっていると軽んじられて“研修医をあてがっても文句は言わないだろう”などと見下され、対応が雑になりかねません。なめられたらいけないと思うくらいの強い気持ちを持つといい」(和田さん)
切り出すタイミングはいつがいいのか。
「2回目の診察時が最適です。ただし、初診で30日分の薬を処方されるようなパターンもあるため、新しい薬をのむときは『どんな副作用があるか、体の状態がどうなったら服薬を中止すべきか』を医師か薬剤師に確認してください。それでも心配であれば、次の診察までの間隔を短くしてもらいましょう」(尾藤さん)
東京医療保健大学副学長の小西敏郎さんは、相談する時間を事前に医師に確保してもらう重要さを訴える。
「急に不安や悩みを相談されても、医師も予定が詰まっていてゆっくり話を聞けないことが多い。長くかかりそうであれば、事前に『聞いてほしいことがある』と伝えて、あらかじめ時間をとってもらった方が賢明です」(小西さん)
内容によっては、医師が最適とは限らない。
「治療そのものではなく、スタッフや環境に関する相談は、看護師長に話すとうまくいくことが多い」(小西さん)
大野さんも、医師以外にも相談窓口があることを覚えておいてほしいと話す。
「困ったことがあれば、看護師に相談するのもひとつの手です。特に認定看護師や専門看護師などの資格を持った人であれば、知識も経験も豊富にあります」
また、薬や健康食品のことを相談するならば、医師よりも薬剤師の方が知識を持っているケースも多い。
「国の基準を満たした健康サポート薬局では、薬に関する相談はもちろん、健康食品や介護用品などに関する相談にも対応しています。がんのことなら、がん相談支援センター、緩和ケアチーム、ピアサポーターなどもある。ひとりで悩まずに勇気を出して相談してみてほしい」(大野さん)
※女性セブン2023年2月2日号