若くて頼りない主君のそばに寄り添い、常に周囲にニラミを利かせる強面男──松本潤(39才)主演のNHK大河ドラマ『どうする家康』で、家康の重臣・石川数正役として、ひときわ大きな存在感を放っているのが松重豊(60才)だ。
「松重さんは、本編後に流れる2分間の『紀行』の語り(ナレーション)も務めています。これまではNHKのアナウンサーが担当することが多く、本編のキャストが紀行を担当するのは非常に珍しい。それだけ松重さんが重要視されているということでしょう」(テレビ局関係者)
1月19日には還暦を迎え、禅僧・枡野俊明さんとの現代禅問答をまとめた書籍『あなたの牛を追いなさい』(毎日新聞出版)が発売されるなど、活動の幅も広げる松重。だが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。
「明治大学卒業と同時に役者を志し、劇団に入団。3年ほどしてフリーになりますが、生活に困窮し、食っていけないからと建設会社の社員として働いていた時期もあったほどです。プライベートでは、26才のときに一般女性と結婚。長男長女に恵まれました。地道に仕事を続け、48才にしてドラマ初主演となった作品が、昨年末にSeason10の放送が終わったばかりの『孤独のグルメ』でした」(ドラマ関係者)
そんな松重に最近、私生活でも“吉報”が届いたという。男性情報誌『POPEYE』(2023年2号・マガジンハウス)の「hello, Work」という自分の仕事を紹介するページに、若い男性のインタビューが掲載されたのだが、写真に写るのは、スラリとしたイケメンで、少し尖った顎は誰かによく似ているような……実は彼こそ、松重の長男、暢洋さん(27才)である。
このインタビューで暢洋さんはTBSラジオのディレクターとして、台本の原稿執筆をするほか、進行管理や編集作業、選曲、CM終わりの曲(ジングル)選びなど、多岐にわたる仕事の内容や、これまでの失敗、やりがいなどについて熱く語っている。
「暢洋さんは入社3年目にして赤江珠緒さん(48才)がパーソナリティーを務める人気番組『たまむすび』のディレクターに昇格したTBSラジオ期待のホープ。入社試験では松重さんの息子であることは隠していたそうです。
明るい性格の好青年で、担当番組のSNSでは『ADマツシゲ』として顔出しで登場することも。大御所のパーソナリティーたちにとてもかわいがられていて、『たまむすび』の火曜日パートナーの南海キャンディーズ・山里亮太さん(45才)には『お父さんは孤独にグルメ食べてるんだよねえ?』とイジられることもあります(笑い)」(ラジオ局関係者)
昨秋には、新番組『脳盗』(日曜夜8時30~55分)を自身で企画から立ち上げ、「若手社員の中でも“大出世”」(前出・ラジオ局関係者)を見せているという暢洋さんだが、仕事ぶりで松重を安心させるだけでなく、プライベートでも喜ばせているという。
「昨年、暢洋さんが結婚し、お子さんが生まれました。松重さんにとっては初孫で、すでに“ジイジ”の顔になって喜んでいます。プライベートについてはめったに話すことがない松重さんですが、お孫さんに会うときがいちばんの楽しみだと周囲に話しているほどです」(前出・テレビ局関係者)
下積みを経てキャリア40年目──公私ともに豊かな実りの時期を迎えている。
※女性セブン2023年2月9日号